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「ミルクホール鈴音(すずね)」イラストから装丁のデザインまで幅広く活動されている漫画家 葛屋カツキさん

掲載日:2009.03.03

葛屋カツキさん

クリエーターインタビューでは、商業誌で活躍中のクリエーターや同人誌で活躍中のクリエーターなど、みんなが気になるクリエーターを毎回お一人ずつご紹介。
作品の裏話や、普段どんな風に作品を制作しているかなど、気になる疑問をインタビューでお聞きします!
今回は、イラストレーターから漫画、装丁のデザインまで幅広く活動されている漫画家 葛屋カツキさんをご紹介致します。

葛屋カツキ 葛屋カツキ(クズヤカツキ)
株式会社フラット所属/東京在住、漫画家 グラフィックデザイナーの仕事を経て、 2007年~雑誌「恋運暦」(イースト・プレス)にて 大正時代を舞台にしたストーリー漫画、 「ミルクホール鈴音(すずね)」を連載。
2009年春に単行本化。
現在、次回作を執筆中。
イラストレーターから漫画、装丁のデザインまで、幅広く活動中。

葛屋カツキさんの事を教えてっ!

――マンガを描き始めたきっかけは何ですか?

幼稚園生くらいのときから、絵を描くのが好きでした。
やっぱり「上手いね」と言われて、真に受けたからだと思います。
多分、幼稚園生の私には、保母さんのお世辞とかわからなかったんだと!

――初めて描いたマンガはどんなマンガですか?

小学校2とか3年とかに、学級新聞の4コマ...だったと思います。
たしか私生活を描いた、実録マンガで。
最近、実家でそれを発見したのですが...起承転結とか知らなかったから、 まったく意味がわからなすぎてシュールでした。

――何か一貫したテーマを持ってマンガを描いていますか?

マンガのテーマは、作品ごとに違うのですが、「自分以外の人は全員読者さん」という意識をいつも持つようにしています。
漫画のテーマっていうわけじゃないんですが、誰が読むかわからないから、一貫して「意味がわからなかった」ということがないように読みやすく描くように心がけています。

――作品のアイディアはどうやって考えていますか?

妄想癖なので、常に頭の中で。イロイロと!

――マンガを描くうえで、何に一番苦労しますか?

技術的なことではないのですが、 風邪を引かないとか、ご飯をおいしく頂くとか!
忙しくなると、原稿に夢中になって、 それさえ難しくなってしまう。
健康面では、自己管理には苦労をしている方だと思います。
......あとは人一倍、根性が足りません!
がんばろ...うっ...て思ってはいるんですが...!(目をギュッと閉じて)

――今までに描いたマンガのキャラクターの中で特に印象に残っているキャラはいますか?

自分の中でキャラクターをひいきしないようにしています!...が!
「ミルクホール鈴音」という漫画を連載していたときに、 大正時代の海軍の「慎太朗」という男の人が出てくるんですが、 友人がそのキャラを見て「結婚したい」って言ってて! 思わず笑っちゃったんですが、 女の子が「嫁に行きたい」って言ってくれるなんて 光栄だなって、とても嬉しくなりました。

――キャラクターを描くときのこだわりを教えてください。

私自身が未熟者で、こだわるまで辿り着いてないんですが...。
実はキャラクターよりも、ストーリーにが先に浮かんじゃって困ることがあるんです! 人間って完璧に出来てないから、「未熟」だったり、その人独特の「悩み」があったり、キャラクターに、そんな弱い部分も持たせたいなと思っています。

――今後描いてみたいキャラクターはありますか?

生き方が偏っている人に、魅力を感じます。 せっかく漫画なんだから、爽快に豪快に生きている そんな主人公を描きたいです。
...あ、それとは正反対ですが、 一般サラリーマンとかOLも描いてみたいです。 題材が「普通じゃん」って思う人もいるかもしれませんが、 ちゃんと通勤して働いているなんて、それだけで素晴らしい! 日々闘ってる人が多いわけですから、 掘り下げてキャラを描いたら、面白いだろうなって思うんです。

――そのキャラを使って、どんなマンガが描いてみたいですか?

ゼヒ、熱くなる漫画を!!

葛屋カツキさんの描き方を教えてっ!

――1ページあたり、どのくらいで仕上げていますか?

一枚だけ仕上げるという、単位計算をしたことがないのですが、
1時間で一枚と言われればそのように頑張り!
5時間で一枚と言われればそのように頑張り!
一週間後に一枚と言われれば、スケジュール帳にメモして
親指を立ててから寝ます。

――画材は何を使っていますか?

多分、特別なものは使っていません。
漫画の描き方の本とかに載っているような、基本的な物です。
最近はペン入れまでアナログで、後はデジタル仕上げなのですが、
スクリーントーンも大好きで、たまに恋しくなります。

――これは便利だ!と思うオススメの道具はありますか?

ガムポット(ガムがいっぱい入ってるやつ)、チョコレート、煮干し、ドライフルーツ? 何でも良いのですが、原稿で詰めすぎているときに、糖分やカルシウムが取れるものを、 手元に置いておいて気分転換しながら食べるとスッキリします。 間食は良くないっていうけれど
あ、画材じゃないですよね!
私はもっぱら、コーヒーがあると調子良く作画が進みます。

――マンガを描くときの作業工程など教えてください。

1.パソコンに向かって、漫画の内容を、簡単な文章にまとめる。

2.ネーム(コマを割る)で、一人で仕事部屋にこもる。

3.ネームを出版社にFAXしたら 泣きながらシスタントさんに、電話。
「助けに来て」と言い残し 眠る。

4.なんとかネームを通し、 自分が人物の下描きをしている最中に、 アシさんに必要な背景作画をお願いする。

5.アシさんの背景の下描きが終るかな?という頃までに 人物の下描きを終え、先にペン入れを始める。

6.ペン入れをしながら 側に居るアシさんに人生を語る。 (アシはそれを軽く聞き流す)

7.いよいよ疲れで、起きていられなくなったら テンションの上がるDVDや音楽を流し、 作業を進める。(終らないなんてことは今までなかったじゃないか!と 自分に言い聞かす)

8.仕上げのトーンワークを、PCでしながら 担当さんに「明日、何時頃仕上がります」と電話を入れる。

9.PCから原稿をプリントアウトして、おかしなところはないか チェックする。

10.仮におかしなところを見付けたとしても、 眠る。

11.仕上がったら、昼間でも勇んで飲みに行く。

以上です。
楽しい職場です。

――技術向上の為に何かされていますか?

原稿をやるまえに、描くもの資料は集めておくのですが、 描いている途中で「あ、これどうなってたっけ?」と思う部分が出てきた時に、 調べる時間がナイことも多くて...。
あまり上手く描けなかったモノは、忘れないようにメモしておいて、 原稿が終ってからでも、調べて覚えるようにしています。
この前は、帽子を被っている人物が上手くかけなくて!自分も普段から帽子を被っているから、 「なんで描けないんだ!」ってツッコミたくなるくらいなんですが、 ちゃんと描いたことないから作画が下手で!! 仕方ないから「帽子」ってメモしておいて 後から「帽子かぶったらツバの角度ははどうなるんだけ?」と思いながら ラクガキをしました。
見習わないでいいくらい、初歩的な練習です...。
一度描くと忘れないので、地味にやっています。

――マンガを描くときの○秘テクニックをこっそり教えてください!

...な...・・・ないっ...!!

葛屋カツキさんにとっての描くとは...

――初めてお仕事をもらった時の心境を教えてください。

初めて...何だっただろう...。
音楽雑誌でイラストを描いたのが初めだった?かな?
もしくは新聞広告と、タウンページのイラストとか 「漫画家」っぽくない、イラストの仕事だった気がします...。
今思えば、ありがたい経験なのですが、 当初は何回も描き直しがあって、リクエストに応えるのに必死だったように思います!
今の方がお仕事いただけて、数十倍嬉しいなって思うんですが。多分、喜ぶ余裕がなかったんですねー。

――自分のアピールポイントはなんだと思いますか?

バイタリティがある方だと思います。
あと仕事の納期は、出来る限り守る。

――将来こうありたい!という願望はありますか?

将来どうあるかではなくて、 今が将来にどう繋がるかをいつも考えています。
......あ、あ、ウソです!ちょっとカッコ良く見せようと言ってみました。(照れ笑い) 実際は、願望というか、一生描けたら成功な気がしています!!

――休日は何をして過ごしていますか?

友人と集まってラクガキ大会をやったり!
「原稿終ったのにまだ描くのか」って思われるみたいなんですが、 なんでもない絵を描くという作業で、頭がリセットされるみたいで、 スッキリするんですよ。本当、楽しい。

――マンガ以外で好きなものを教えてください。

入浴とお酒と水とコーヒー。
「葛屋さんは水分で出来ている」と 言われたことがあります。
あとは「文字」や「言葉」や「人」も好きです。

――影響を受けたマンガなどあったら教えてください。

アシスタント経験がないので、 どなたかに影響を受けたかがハッキリとわからないんですが、 子供頃はドラゴンボールとスラムダンクが好きでした。
漫画的な影響を受けるというよりは その時代の少年漫画を、夢中になって読んでいました!

――どのあたりに影響を受けましたか?

それが、少年漫画ばかり読んでて、 実は高校生ぐらいまで、少女漫画を読んだことがなかったので、 女性誌に連載をもらったときにどうしよう!って思いました。
今は少女漫画と少年漫画の、差が少ない雑誌も多いのですが、 少女漫画って、複雑なのに流れるようなキレイなコマ割りが多いのに対して、 私はそういうのを描くのが下手なんです。
少女漫画の影響を受けていたら、そういう苦労は少なかったかもな。とか思っちゃいました!

――最後になりますが、葛屋カツキさんにとって描くとは何ですか?

人と繋がること!

――ありがとうございました!

葛屋カツキさん 作品紹介

「ミルクホール鈴音(すずね)」(イースト・プレス)より

「葛屋カツキさん 作品紹介」

葛屋カツキさん 作品紹介

葛屋カツキさん 作品紹介


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