『まいあ Maia SWAN』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

現在のバレエ題材マンガには３つの大きな軸があります。
ひとつは山岸凉子さんの『テレプシコーラ』シリーズ。山岸さんは３０年以上前に『アラベスク』という現代でも再読に耐えうる傑作を物しており、『テレプシコーラ』は巡りめぐってきた原点という解釈ができましょう。中間期に描かれた天才ダンサー・ニジンスキーの伝記『牧神の午後』といった作品もあります。
もうひとつは萩尾望都さんの『ローマへの道』『フラワーフェスティバル』など一連の作品です。８０年代後半から９０年代中頃までに集中的に描かれたこれらの作品は、バレエを介して人が成長する姿を浮かび上がらせています。
そして最後のひとつが有吉京子さんの『SWAN』とそこから派生した諸作です。知名度では上記２者にはかないませんが、登場人物たちのバレエにかける思い、肉体描写力においてはしのぐほどでしょう。『SWAN』は今読み返してもバレエに対する狂気めいた精神性を感じることがあります。
その流れのなかに本作『まいあ』はあります。『SWAN』の主人公レオンハルトと真澄の娘・マイアは痛ましいほどに純粋にバレエに打ち込み、考え、悩みます。この作品を読むと無性に実際のバレエを観にいきたくなり、いくつかのチケット予約サイトを駆け巡ってしまいます。でも、「おおっ！」と思わせる公演は、あっという間にソールドアウトなんですよねえ。
それはさておき、有吉さんのライフワークともおぼしき本作は、ゆっくりゆっくり進行するのでしょうが、こちらもそのペースにあわせてマイアの成長をじっくり見守りたいと思います。