『オンノジ』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

「気が付いたら街に誰も居なかった」SFとしてはちょっと使い古された感のあるお話だけど、状況はかなりシュール。ほのぼの4コマ漫画のくせに、凄く子供の頃の「一人ぼっち恐怖」を思わせて、時にはかなり怖い。

なのにヒロインは怖がりながらもくじけないように適宜自分を紛らわせながら、生き延びて行く。世界もヒロインも、どっちもオヤジレベルなギャグをかましながら本当に淡々とシュール無人な描写が続く。

途中から不思議な連れ合いが出来て、オンノジ（御の字）と名付けてからは少しずつほのぼの感が増加して行く。状況は相変わらずシュールで、むしろ「神様からバカにされているのか？」と思えるほどなのに、ヒロインのほのぼのした性格が物語を救って行く感じ。

急にゾンビでも出そうな無人世界の描写は変わらないけど「どうやって終わるの！？」という不安はラストのページで一気に救われる。

淡々と続いて来たシュールほのぼのの描写の全てが、このラストの為に必要だったと思える。見切り発車的なスタートだったとの事だけれど、だとしたらこの作家は物語構築者としての感性が素晴らしいのかもしれない。

良い物語を読みました。

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

自分以外の人間が全て消えた世界の４コマ漫画で、ヒロインは一人待ちをさまよう。　そして中盤で出会った大きなトリに「オンノジ」と名付け、孤独な世界で行動を共にする。

SF的な要素を持ちながらも不思議と日常系４コマであり続け、「この漫画はどこに向かうのか！？」とハラハラしながらも、トリと一緒に街を歩くヒロイン・ミヤコのブレ無さに救われる。

ラストまで読めない展開が見事。

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

ウィル・スミス主演の『アイ・アム・レジェンド』というより、牧瀬里穂主演の『ターン』に趣が近い世界観。いわゆる主人公以外誰もいない“世界”が作者特有のオフビートギャグで描かれる。ヒロインのミヤコはどうやら小学校高学年くらい。人間も動物もいなくなった世界に取り残されたのに、町中を徘徊し、食料を調達し、少しずつおかしなことになっている世界にツッコミを入れつつ、笑いならがたくましく暮らしている。

しかし、彼女は自分以外にも“生きている何か”が存在していることを確認。その生物はフラミンゴの姿をした男子中学生だった。ミヤコは彼のことをオンノジと名付ける。ミヤコはオンノジという相方を手に入れたことで、再びこの世界をたっぷりと楽しみながら日々を過ごし始める。

いつの間にか変わってしまった世界。しかしミヤコにとってはオンノジとくらすかけがえのない大切な世界になっていく。寂しさも、やるせなさも、絶望も全部笑って受け入れる2人に、大いなる希望を提示したラストが素晴らしい。