羽生生純の「漫画について答えよう」

良きライバルとかマンガ友達っているの?「タイムマシンにオナがい」

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「タイムマシンにオナがい」の巻

みなさんオナニーしてますか!(いい意味で)
私はいつもしてます!(いい意味で)
ヒャンヒャン!(ポメラニアンの鳴き声)

というわけで買ってしまいましたpomera!

この文章は今まで家人のお下がりWindows98ノートでペコペコ書いていたのですが、ぼやっとネットサーフィングをたしなんでいたところ偶然見つけたpomeraが良い塩梅っぽかったので思わず購入(製品詳細は各自検索で)。
もちろん文章を書く仕事なんかこのコラムしかないので持ち腐れるにもほどがあるのですが、「新しい皮袋に古い酒を入れて放っておいたら袋も古びて穴が開いてみんなダダ漏れてしまいましたとさ、おしまい。」という諺にもあるように、新しいことにチャレンジ一年生というのはいくつになっても忘れたくないものです。

ですが欲を言えば液晶がカラーでネットに接続できれば言うことなし...てじゃあ低価格ミニノート買えば良かったじゃんか!という元も子もない話になってきたので、これをミニノート購入の無駄遣い発作が起こった時の伏線として張っておきます!(物語創作技術の現実世界への応用)

以上無駄遣いの言い訳をひとくさりお読み頂いたところで質問行きます。

【桐味細孔さん】

桐味細孔(きりあじさいこう)と言います。
専門学校で漫画を習っているのですが、ライバルと言える友人に編集者がつきました。
自分は、持ち込みに行っても編集とかつかないんですが、なんとか友人に追いつくように努力しようと思ってます。
羽生生先生は、デビューの頃、良きライバルとかマンガ友達っていたりしたんですか?
いたら教えてください。

私も実は漫画の専門学校に行っていたことがあります。
「実は」などと半身引いて書くのは、半年行って途中からすっぽかしてちゃんと修了していないからです。
毎朝寮を出て近所の神社などをボケーと散策して帰るという日々を半年送りそのまま田舎にとんぼ返りしたのでした。

で、何故半年で行かなくなったかというと、アスキーのログインというコンピュータ雑誌の漫画大賞に応募して入選という中途半端な結果にも関わらず「俺はもう大丈夫、俺は他の生徒とは違う」という無根拠な自信を得たからなのですが、それ以外にも大きな理由があったからです。

これはあくまでも私個人の体感した意見であり全ての件に当てはまるわけでは決してありませんし、現在のほうがより良い環境になっているのでしょうが、当時私は専門学校に毎日通う他の生徒の様子を眺めながら、「ここに本当に漫画家になりたいと思って来ている人はどれだけいるのだろう?」と思ったのです。

高校を卒業し初めて親元を離れて一人暮らしを始めた私にとって、勉強ではない、自分が言い出しっぺでやると決めた漫画を学ぶために(多分)全国から集まった同年代の人間を初めて目の当たりにし、まず抱いた感想は「これでいいのか?」でした。

ペン先を錆錆にしたまま平気で使っていたり、身繕いの事しか考えていない感じだったり、反対に好きな漫画の事しか考えていない感じだったり...。

もちろん自分がまじめにやっていたわけではないし、その人たちの方が実力があったのかもしれませんが、雰囲気として「描く」という空気が全く感じられませんでした。

しかし、もしその時その人たちと話をしてなにを考えているのか確かめることができたら、あるいは同好の志として通じあうことがあったのかもしれません。

でも、そもそも私は漫画について他人と意見を交換するとか一緒に語り合う、という気がハナっからサラサラありませんでした。

小学生の頃クラスで絵が、というかイタズラ描きが得意な奴が2、3人いて、その存在を意識しつつ相手より上手い絵を描こうという気持ちになることはありましたが、それはあくまで手すさびのレベルであり、本格的に漫画を描いていこうと思いはじめた時点で意識する相手は「プロでやっている人」以外にはあり得ませんでした。

専門学校に行っている時点でいわば「聞く耳を持たない」状態だったわけで、そんなスタンスの奴が同じクラスの人と馴染めるわけがありません。

それは自分の人見知り&引っ込み思案な性格にも起因しますが、それ以上に要は「無根拠な自信による見下し」が働いていたのだと思います。

もし、自分の近くに自分より明らかに上手くて面白い漫画を描く同世代同ポジションの人がいて、その人と友人だったりしたら明らかに意識せざるを得ないでしょうし、その人が売れれば自分の在りように落胆しほぞを噛む事もあったでしょうが、幸か不幸か私は自分のやりたいことを自分だけで片づけようとしていたので、差を付けられてがっかりすることもありませんでした。

でもそのかわりとにかく「ひとり」です。
考えるときも考えられないときも思いついたときも思いつかないときも、遙か上空に輝く北極星を目印にコンパスを持たず闇雲に山道を進むように、プロの人を見て自分の行く方向を決めながら日々自分の足下だけを見て進んで行きました。

詰まるところ私にとって漫画を描くのは「オナニー」であり、変わったオナニーのテクニックを人に発表するとしても「やるときはひとり」だと思っていたのです。

しつこく書きますがこれはあくまでも私がそうしたというだけで、ひとりで描くべし、などという教訓ではないのですが、何故こんな事をだらだら書いたかというと、これから自分の名を冠した作品を人に売りつけるという行為をする時に、友人やライバルは必ずしも必要ではない場合もある、ということなのです。

もちろん共通の趣味趣向を持った者同士が集まってお互い刺激しあいながら切磋琢磨していく、という例は山のようにあるでしょうが、そういう華々しい例の陰で、たむろすることによって自分の居場所が確保できたと錯覚し、そこに安穏と居着くうちに何をやったら良いのかわからなくなってしまう、という人がほとんどなのではないかと思うわけです。
おそらく共同で成功した人も作るときはひとりになる瞬間が必ずあるはずだし必要であるはずです。

「自分は漫画友達がいても自分がやりたいことを最後まで貫く!」と言い切れる人は全く問題ありませんが、少なくともたったひとりでやっていてもいくらでも作品は作れる、という場合もあるのです。
友人がいれば(いなくても良いけど)、漫画友達は絶対必要ではないし、ライバルは友人である必要はなく、自分をもっと押し上げるという目的が達成できるのであれば、会ったこともないようなとんでもないレベルの人でも全くかまわないわけで、乗り越えられなくても無問題。
上には上がいくらでもいるから仮想敵に不足することは決してありません。

「漫画を描いていたい」という思いを軸足に据えて残りの自分の人生を過ごすという気持ちがあるなら、環境や境遇がどんなに不利であろうとやらずにはいられないはずだし、それは気持ちいい「オナニー」だからなわけで、「そこまでヘビーに考えてねーよ」「オナニーなんて不潔!漫画ってもっと素敵なものじゃなくって?ねえなくって!?」という人は同好の志と和気あいあい漫画を楽しめば良いと思います。

私の好きなヘンリー・ダーガーという人は死ぬまで童貞でただの変人でしたが、死後部屋から発見された膨大な強烈幼女模写残酷絵巻で世界中(の一部)に熱烈なファンを得ました。

もちろん本人にとって死後の名声など無価値だし知る由もありませんが、それでもきっと楽しい(部分もある)人生だったと思います。
それは自分のやりたい「オナニー」をとことんやり抜いたからです。

余計なことしか書いてないような気がしますが、とにかく、友人に編集が付こうがデビューしようが自分には何の関係もないことで、それこそ「人に迷惑かけてるわけじゃないし」という若者(と一部の年寄り)得意の言い訳はタバコをポイ捨てした時とかじゃなくてこういう「自分の思いを遂げる」時に使いましょう(本当は他人に迷惑をかけずにやれることなどほとんど無いのですが)。

さーてやっと書き終わったからオナニーしよっと!(いろんな意味で)


羽生生さんも出演されるイベントの告知です!

《 新春!(有)さるハゲロックフェスティバル'09 》

来る2009年1月17日に新宿LOFTで開催される「新春!(有)さるハゲロックフェスティバル'09」に、私も2組のバンドにちょっと首突っ込んで出ます!

会場:新宿LOFT
開催日:2009年1月17日
16:30オープン 17:00スタート 27:00(AM3:00)頃終演予定
チケット:前売り2,500円 当日3,000円(+ワンドリンク500円)
下記プレイガイド、新宿LOFT店頭にて発売中です。
【チケット取扱い】
チケットぴあ:0570-02-9999 https://t.pia.jp/ Pコード:309-572
 →webから買う
ローソンチケット:0570-000-777 https://l-tike.com/ Lコード:78975
 →webから買う
イープラス:https://eplus.jp/
 →webから買う
新宿LOFT:03-5272-0382 https://www.loft-prj.co.jp/

※チケット問い合わせ 新宿LOFT 03-5272-0382
※深夜に及ぶ公演につき、18歳未満及び高校在学中の方は御入場出来ません。
※入場時にIDチェックを実施しております。年齢の分かる身分証明書を必ずお持ち下さい。(運転免許/学生証/社員証/パスポート/タスポなどの公共機関が発行する顔写真付きの物、保険証/定期券/会員証などは不可)公演当日、公共機関が発行する顔写真付きの身分証明書をお持ちでない方は、御入場できませんのでご了承下さい。
※20歳未満の方へのたばこ、アルコール類の販売は、一切お断り致します。

しりあがり寿さん、安齋肇さん、河合克夫さん、その他いろんなすごい人が出るので生の漫画家が酔っ払っているところを見て声かけたり、ためらったりしたい人は是非お越しください!

質問はコチラまで

真面目に答えてもらいたかったり、答えてもらえなくてもよかったりな質問がある方は質問投稿フォームから質問を投稿してください。
お寄せいただいた質問はマンガナビ編集部が選別したうえで、羽生生先生にお渡しします。

羽生生 純(ハニュニュウ ジュン)
漫画家 1970年生まれ 1992年デビュー

代表作
『アワヤケ』 『青 -オールー-』 『恋の門』
『1ページでわかるゲーム業界』 『ワガランナァー』
『サブリーズ』 『強者大劇場』



※漫画業界のリリースニュースお待ちしてます。こちらから


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