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やっぱりファミレスが集中できるの?「今まで集中できたことなんかいっぺんも無いっすよ

掲載日:2011.02.26

「今まで集中できたことなんかいっぺんも無いっすよ」の巻

みなさんこんにちは!人の目を見て堂々と挨拶をするのが三度の飯より苦手な羽生生が昼飯を食いながらお送りする今回の絵答えですがいつもの独りよがりな品質は保証しますよ!
今質問へ行くまでの数行かの間つなぎで何を書こうかと考えたのですが、改めて本当に言いたいこと(書きたいこと)が何もないことに気づいて今更ながらびっくりしました。

世界情勢...
国内政治...
小向美奈子...

知るか!!どうでもいいわ!!!いや上位2つは気にせねばならんけど3番目とか好きにしてとしか言うことがない!!!!数年後に吉田豪さんがインタビューしてくれたのをまとめて読めば事足りるわ!!!!!!

なんか世間の話題にまんべんなく興味を持ってコメントするとかは、ツイッターとかなら単文書き逃げですぐ(主に自分の目から)消えてくれるから良いんだけど、こういうコラミーな場で書いたりするとあとで読み返してこっ恥ずかしくなるですよ!

かと言って個人発信のおもしろいことなんかこれっぽっちも無いので結果的にこんな空疎なおちゃらけ未満な事しか書けないんですけども。

はあー...なんか陰々滅々モードに入りそうなので無理矢理質問行きます!

【ふれいす】

初めまして。
私は深夜によくファミレスへ行くのですが、度々ファミレス内で漫画を描いている方を見かけます。
羽生生先生は漫画を描いたりアイデアを練ったりする際、ファミレスを利用したりするのでしょうか?
それとも何処か違う集中できるスポットがあるのでしょうか?
教えていただけると嬉しいです。宜しくお願いいたします。

ここだけのワールドワイドウェブ上全開のお話ですが、四十年の半分近く漫画や漫画っぽいものを描いてきたにも関わらず、未だに「仕事のフォーマット」みたいなものが確定したことがありません!
すいませんカッコつけて外来語適当に使いました。
要するに「未だに仕事の仕方がわからない」のです!

漫画の内容が千差万別であるように漫画家も若手ベテラン、売れっ子お荷物、男女ヘテロホモ、アナログデジタル等それぞれ様々なパターンがあり、一概に「こう」という事は難しいですが、イメージとして「漫画家がファミレスでネーム考えてる」という場面は確かに(調べたわけでは無いですが)質問のように目撃されたり私もそういう話を聞いたりしてかなり多くの方がやってることなのかと思います。

あ、質問の「漫画を描いてる」というのは多分ネームを切ってる事だと思うのですが(「ネーム」がわからない人は『バクマン』を読もう!(読んだこと無いので載ってるか知りませんが))、さすがにファミレスでインクとトーンにまみれて原稿用紙に向かう人は...もしかしたらいるかもしれないけどごく少数でしょう。
ああデジタルだったらノートパソコンにタブレットで描けるのかな...
良いノート買えばコミックスタジオとかで原稿できるのかな...誰か実際にやってるという人は「絵答え」に答えを教えて!

実際に「漫画を描く」という状態についてはとりあえず置いといて「アイデア」という面に関しては最低限頭の中だけでもできることなので基本的にはどこでもできるはずです。もちろん「隣の部屋からアヘアヘ声が聞こえてくる」とか「それを聞いて自分で自分をアヘアヘしてる」という状況では何も考えられないでしょうが...

...いや!そんなときでも降りてくるアイデアはある!ワンマンアヘアヘ中でも案外頭の中は冷静だ!

つまり「考える」という行為はどこでもどんなときでもできる、ということなのです!

しかし「ファミレスじゃないと浮かばない」という人ももちろんいるでしょうし、それぞれ自分のベストチンポジがあるごとく「ここじゃなきゃイヤ!」という場所があるでしょうが、決してそれだけでは無い場合もあるのです。

そこで私の場合なわけですが、想像するにファミレスとか仕事場とか「ここじゃなきゃイヤ!」という場所がある人は気持ちをそこで切り替える賢いやり方を身につけてるのでしょうが、私は決まった場所が無いのです。

というか毎回毎回毎回毎回...何回も何回も何回も何回も同じ仕事をしてるくせに「ここでアイデアを固めてネームまでやっちゃう」みたいに時間を管理することができなくて、締め切りがどんどんやばくなってどうしようもなくなり、結果的に部屋のパソコンの前で怒ったりベソかいたり絶叫したり舌打ちしたりため息ついたりネットで調べたりネットショッピングで安易にポチって後悔したりアヘアヘしたりしながらなんとかようやくまとめる、という事を繰り返しており、ビジネスライクに時間を区切って仕事ができたためしがないのです。

だからあえて言えば「パソコンの前」が考えスポットなわけですが、そのパソコンの前に座るまでがまた家の中でくるくる回ったり唐突に散歩に出たり立ち寄った本屋で自本が置いてなくてガッカリしたり焦って家に戻ってやろうとしてDVD観はじめて調子に乗ってきて酒飲んじゃってそのまま寝ちゃって翌日起きて自分に呪詛の言葉を吐きかけたりもうやらなきゃと思ってると素敵なタイミングでネットでポチった本が届いてつい読みふけったり気づいたら子の学校行事があることを忘れてて慌てたりめんどくさくなってしらばっくれたりそのうち腹が減ってきて...

どうです!仕事する暇ないでしょう!!

でも、今クソ長くダラダラと書いた日常の中のどこかの時点で自分が「行ける」と思えるアイデアを引っ張り出さなくてはならないのです!

漫画家なりたいですか?

少なくともこんな惨めな有り様じゃなくきちんと仕事とプライベートを分けてしかも売れる漫画家になりたいというのがみなさんの気持ちだとは思います。

でも「考える」、そして「アイデアを掴む」という行為は漫画家をやる以上(原作付きでも絵について無意識だけで描ける人はいません)避けては通れないことなのです。

「考える」について考えるといつも思い浮かべる話があります。

タイム涼介さんの結婚披露宴に呼んでもらって行ったとき、コミックビームの奥村編集長が祝辞で新婦に向かいだいたいこのようなことを言いました。

「旦那が家で手伝いもせず天井を見上げてボーッしていても怒らないであげてほしい。
急に外に出かけてもそっとしてあげてほしい。
なぜならその時漫画家は"ネタを考えている"のだから」

このスピーチを聴いた漫画家は感動と賛同の喝采をあげ、それ以外の人はポカーンとするばかりでした。

...あれ?この話もう書いたかも...でもいいや良い話だから!

もちろんいつものように聞かれたことにはもんやりと聞いてないことはだらだらと書き殴ってきましたが、もう思いつくことがなくなったので2月17日発売の『無法使いアッポちゃん』1巻と3月30日発売予定の『ピペドン』最終2巻の宣伝を恥ずかしげも無くねじ込んで終わりの言葉に変えさせていただきたいと思います。
ご静聴ありがとうございました。


ねじ込まれた宣伝ですが...

無法使いアッポちゃん (1) 無法使いアッポちゃん (1)
2011/2/20発売予定
アッポちゃんこと圧歩海(25歳)は、菓子パン工場のアルバイト。でもそれは世間を欺くための仮の姿!実はアッポちゃんは、魔(無)法使いだったのです......。アッポちゃんは埼玉県ドリーム市の平和を守るため、DIYスーツに身を包み、毎日パトロールで大忙し。そんなある日、「ザ・レゾネーター」という謎の兄弟が現れて!?悪に天誅!ラブに夢中!アッポちゃんが繰り出す魔法(殴打)の嵐!羽生生純が贈る、ミラクル魔法少女ハイテンションコメディ。(Amazon.co.jpより)

ピペドン (2) ピペドン (2)
2011/3/30発売予定
人類初。私の私による私のための人工授精。(Amazon.co.jpより)

羽生生 純(ハニュニュウ ジュン)
漫画家 1970年生まれ 1992年デビュー

代表作
『アワヤケ』 『青 -オールー-』 『恋の門』
『1ページでわかるゲーム業界』 『ワガランナァー』
『サブリーズ』 『強者大劇場』


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