横浜システム工学院専門学校講師-漫画講師と言うお仕事2
掲載日:2008.07.24
横浜システム工学院専門学校講師 西村まさのりさん
「まいっちんぐマチコ先生」で有名な、えびはら武司氏の元アシスタントをやられていた経歴もある西村まさのりさん。 アシスタント時代のお話から現在の漫画講師に至るまでの経緯など、漫画に関わるお仕事を続ける西村まさのりさんへ聞いてきました。
西村まさのり
画家としての活動などの他に、漫画のアシスタントやデザイナーなどもこなしていたマルチクリエイター。現在は、雑誌の仕事の合間に、IT系の技術者を育てる専門学校横浜システム専門学校のマルチメディア科の中で、漫画を教えている。
すら☆そうじ
横浜『大倉山』からお送りする、プログ・ロックな話題やマンガ、イラストあり・・・
マンガ講師になった経緯とは?
――今日は、西村まさのりさんのマンガ講師になった経緯などをお聞かせいただればと思います。よろしくお願いします。
西村まさのり(以下 西村):よろしくお願いします。
話が結構飛び飛びになっちゃうんでまとめるのが大変だと思いますが(笑)
――現在の仕事を教えてください
西村:専門学校でマンガを教えています。IT系の専門学校なんですが、今はウェブデザインの中でもマンガが絡んでくる世の中なんですよ。
――どういった経緯でマンガの講師になったんでしょうか?
西村:マンガ教室をやりたいなと思って、去年ぐらいにマンガ教室を開いてたんです。その時にたまたま講師のお話をいただいたのがキッカケです。
――また、マンガ家以外でされたお仕事なんかを教えてください。
西村:デザイン会社で3年ぐらい働いてました。採用された経緯も特殊で、作品を見てもらって採用されて、その日から現場で働きましたね。とりあえずは、現場を見てればいいからって(笑)
――マンガ以外でのお仕事をして良かった事ってありますか?
西村:人と会った時の挨拶とか・・・。社会の常識を学んだ事ですね。あの時代がなければ、社会性がなかったかもしれません。もっと言わせてもらうと、あの頃の時代があったから漫画以外でのデザイン。タイトルロゴや表紙のデザインなども出来る様になりましたね。
―― 一番最初にされたお仕事ってなんですか?
西村:中学生ですね、知り合いからポスターのイラストを頼まれましてえんぴつで描きました。3,500円もらいましたよ。
アシスタントをしていた時の感想を教えてください!
――アシスタントの話を聞いちゃいますね。まいっちんぐマチコ先生を描かれてたえびはら武司氏のアシスタントが一番最初だったんですか?
西村:そうです。経緯をお話をすると、友人がえびはら武司氏のアシスタントをしていたんですよ。その友達が「今度また行くから一緒にいかない?」って言われて、スケッチブックを持っていったんです。そのスケッチブックなんですが、急に誘われた事だったので自分のイラストが描いていたあったんです。そのイラストをサインをする時に見られて、先生に「君ウチでアシスタントやらない?」って言われたんですよ。
そのままアシスタントとして働き、めでたく独立させていただいたのですが、肝心のスケッチブックにサイン、未だにもらってないんですよ(笑)
――アシスタントはどれぐらいやられたんでしょうか?
西村:2年ですね。私がアシスタントで学んだ中で、言える事はアシスタントは2年ぐらいで辞めるのが丁度いいと思います。独立を目指してる人はですよ(笑)。何故かと言うと、足を洗えなくなっちゃうんです。後は、自分の作品が作れないのも大きいですね。
――なるほど。ではアシスタントをやって良かった事はなんでしょうか?
西村:先生の所に、編集者が打ち合せにくるんですよ。その際に、名刺を貰えたり顔を覚えてもらったり出切るので持ち込みには行きやすくなりますね。
――アシスタントをされる前には、漫画の持ち込みには行っていたんですか?
西村:同人誌の投稿はしてました。小学館の同人誌グランプリで佳作を取りましたよ。
――すいません賞金のお値段を聞いてもいいですか?
西村:5万円です。当時だと結構良いお値段でしたね。
――持ち込みに行く際のアドバイスってありますか?
西村:おおざっぱなジャンル分けはした方がいいと思います。例えば当時少年ジャンプなどは、どんな絵柄でもいいから気にしないでいい、絵も描いてるウチに上手くなるので、どんどん持ち込んで、と言われた記憶があります、あと、ページ数やサイズなど決められた事はきちんと守って原稿を描く事ですね。
デビューした時の経緯を教えてください!
――デビューしてからどれぐらいたったんでしょうか?
西村:20年以上前ですね。作品もありますよ、基本的なテイストは変わってないです。年齢的には、今教えてる学生と一緒ぐらいです。
――雑誌に掲載された時の心情を教えてください。
西村:カラーの4コママンガがデビュー作品ですね。4色カラーデビューだったんです。
あの頃は、雑誌に掲載されるのがうれしい時代だったからですからね。喜びましたよ。
――当時の担当編集者はどんな方だったんですか?
西村:持ち込みしてた少年ジャンプでは、鳥嶋さんでした。某漫画のDr.マシリトのモデルになった方ですよ(笑)
――今の漫画家と昔の漫画家の大きな違いってありますか?
西村:私の時代は、自分の世界を表現する侍的なものだったと思います。自分の力を信じて描き続ける感じだったんです。ネットもないので調べる時も書物を調べてました。今の子達は、自分の好きな作品のイメージが強くあって、それに近い形で漫画を描きたいと言うのを感じますね。描き方なんかもネットで調べられるので、楽だと思いますよ。
・・・後、ちょっと打たれ弱いイメージはありますね。
――同人誌を描かれてると聞きましたが、どう言った経緯で描かれたのでしょうか?
西村:友人からの話で漫画を描いてるグループの存在を知ったんです。当時は、メールの媒体がなかったので手紙でのやりとりでした。その手紙のやりとりで、たまに挿絵をお願いされたりして描いてました。
ペンタッチってタイトルでしたよ。
――流行にもなりつつある同人誌ですが、どう思われますか?
西村:描き手が多くなってきていて、雑誌の枠が減ってきていますからね。自分の作品を表現する場としては非常に良い事だと思います。作品を読んでもらってファンを作る媒体とするならば、どんどん描いた方が良いと思います。
西村まさのりさんにとってマンガとは?
――絶対に読んでる漫画を教えてください。
西村:ゴルゴ13ですね。
私に言わせると、教科書に近いです。歴史背景を感じながら読んでます。
――描く時のアドバイスってありますか?
西村:チマチマ描くんじゃなくて大きく描く事ですね。紙いっぱいに大きく描けといつも言ってます。冒険心ですよ。凄い重要な要素です。
後は、何を言われても動じない心であったり、適度に受け流す心があれば良いですね。
描いた漫画が編集者にこてんぱんに叩かれる事があるので...。その部分は強くしておいて絶対に損はないです。
――漫画を描く人達へのアドバイスをお願いします。
西村:自分の作品に自信を持って描いてください。自分好きでも良いんです。それがないと、壁にあたった時につらいんですよ。その壁を乗り越えられるのって、自分の作品を信じる事だと思います。
――最後の質問になります。西村まさのりさんにとってマンガとは何でしょうか?
西村:漫画は子供だけの楽しみではなくなってきてますね。ビジネスで深く関わってくる部分だと思います。広告であったり、マニュアルだったりします。普通の漫画とは若干違いますが、グラフィカルデザインされている漫画も最近は良く目にする事が多くなってきました。漫画はありとあらゆる部分に使われているので、知識を持っていて損はないです。
――ありがとうございました。
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