デジタル漫画の新人発掘というお仕事-コミックハイ編集長
掲載日:2008.08.14
コミックハイ!編集長 野中郷壱さん
8月14日より、マンガ読もっ!にて「コミックハイ!の公式コミュニティ」が運用を開始しました。
「コミックハイ!公式コミュニティ」の最大の売りは、「編集長の原稿チェック」。なんと!家にいながら持ち込みができちゃいます。
今回の漫画のススメは、「編集長の原稿チェック」にて原稿を確認する野中郷壱編集長にインタビューしてきました。
野中郷壱
1993年に新卒で双葉社に入社、週刊漫画アクションに配属後は、週刊大衆、コンビニ系アダルトコミック誌の編集部を経て、週刊漫画アクションに戻るが一時休刊になり、それを期に新編集部としてコミックハイ!を立ち上げる。
コミックハイ!
双葉社の月刊誌。新刊情報、壁紙、編集部ブログ、作家インタビュー。
コミックハイ!公式コミュニティ
家にいながら持ち込みが出来ちゃう!コミックハイ!公式コミュニティOPEN!
コミックハイ!ってどんな雑誌ですか?
――今日は、野中郷壱編集長の考える漫画についてと、持ち込みに対するお考えなどをお聞かせいただればと思います。よろしくお願いします。
野中郷壱(以下 野中):よろしくお願いします。
――野中編集長の経歴を教えてください。
野中:1993年に新卒で双葉社に入社して、最初は週刊漫画アクションに配属されました。
その後は、週刊大衆、コンビニ系アダルトコミック誌の編集部を経て、またアクションに戻ったんですけど、アクションが一時休刊になったのを期に、新編集部としてコミックハイ!を立ち上げ、今に至ってます。
――「コミックハイ!」はどのような経緯で始まったのか教えてください。
野中:それまで双葉社になかったタイプの新しいコミック誌をということがまず前提でした。
新しい層をターゲットにするにあたって、それまで双葉社がメインの販売場所としていた駅売店やコンビニだけではなく、コミック専門店にもしっかり並ぶような雑誌にしようと考えました。
それで、アクション在籍時に担当していた「女子高生」という漫画があるんですけど、その「女子高生」の続きを載せるということと、専門店で人気が出そうな作家を載せる、なにか絶対的な特徴をつける。それで模索した結果、一般男性読者向けではあるけれども、一冊丸ごとメインの登場人物は可愛い女の子というのは今までなかったかなと。それで「男性向け少女漫画誌」という当初からの謳い文句にたどり着いたんです。
――「コミックハイ!」の特長を教えてください。
野中:作家さんと企画の話をさせていただくときには、まず条件として、主人公が女の子もしくは、男の子が主人公だとしてもメインヒロインがきちんといるということを前提としてもらっています。なので、必然的に学生が主人公だったり、舞台が学園だったりという作品がほとんどですね。ただ、主人公が女の子とはいえ、やはり男性読者をターゲットとしているので、キャラクターや構成の面では、そこを意識したネーム作りをお願いしています。
――「コミックハイ!」の名前の由来を教えてください。
学園物中心ということで、コミックハイスクールという案が先にあったんですけど、長すぎるので単純に「ハイ」になりました。
どんな作品を送ってきて欲しいですか?
――「コミックハイ!」では、『こどものじかん』、『ぽてまよ』、『ひとひら』など、ヒット作品を数多く出されていますが、ヒット作品を生み出すには、秘訣ってあるんですか?
野中:そんな秘訣があれば、逆に教えて欲しいくらいですよ(笑)。
あえて言うならば、当り前かもしれませんが、実力のある漫画家が描く面白い漫画を、それを求めるであろう読者と同じ目線で打ち合わせやネームチェックをし、それを求める読者にちゃんと届く売り方をするということでしょうか。
――コミックハイ!では、8月14日からマンガ読もっ!にて、デジタル持込を開始しますが、ユーザーにはどんな作品を送ってきて欲しいですか?
野中:作品も評価も一般のユーザーの目にも触れることになるので、もしかしたら普通に持ち込むよりも勇気がいるかもしれませんが、今の実力を最大限に発揮した作品なんだと胸を張れる作品を投稿してきて欲しいですね。
内容としては、コミックハイ!で即戦力という作品の方が話は早いというのはありますが、コミックハイ!掲載を意識した作品に拘り過ぎて、二番煎じやどこかで見たような気がする作品になるくらいなら、コミックハイ!から逸脱していても新しくて面白いから載せてしまいたい、
この漫画家と一緒に仕事がしたいと思わせるような何かを見せてくれる作品を期待しています。
――逆に、こういう作品は採用されにくいなどありましたら教えてください。
野中:日本は漫画にあふれている国なので、これからプロとして勝負するためには、どこかしらに新しいオリジナリティが無いと辛いと思います。
いわゆるパクリは端から論外ですが、すでにある作品からアイデアを借りてきたり、展開がありがちだったりする作品は微妙な評価になると思います。
あとは、たとえ下手でも、現時点での実力を最大限に出さず、楽や手抜きをして描いたように見える作品は低い評価になると思います。
コミックハイ!の今後の展開を教えてください!
――リアルに持込へ来る人ってけっこういらっしゃるんですか?
野中:月に数人という程度ではありますが、いらっしゃいますよ。ただ、すでにプロデビュー済みの漫画家の売り込みに比べると、純粋な意味での持ち込みは減ってきているかもしれません。
――ちなみに、野中編集長の好きな漫画を教えてください。
野中:あくまで自分が読者の場合の個人的な好みですが、絵柄のクオリティよりも、キャラクターやストーリーのクオリティを重視しますね。
とくに、ネームがシンプルだけど熱くてスピード感のある作品が好きです。
――「コミックハイ!」の今後の展開をおしえてください。
野中:本誌では、この夏からメディアミックスも含む大型連載「絶対衝激~プラトニックハート~」が始まります。それと8月20日から公式WEBサイトをリニューアルして、無料のWEBコミックの配信も始まります。すべて新作のオリジナル作品で、登録もダウンロードも不要なシステムなので、みなさん気軽に読みに来てください。
――野中編集長個人の今後の目標も教えていただけますか。
野中:今のスタイルのコミックハイ!になってから3年半が経過したんですが、おかげさまでアニメ化始め色々とここまでは順調に来れました。
ただ、最近の漫画業界はとにかく流れが早いので、落ち着かず、流れをきちんと見極めながら常にニーズに合った新しいものを提供し続けていきたいですね。
――最後に、投稿を予定している皆様に一言お願いします。
野中:どうしてもコミックハイ!に自分の漫画を載せたいのか、とにかくプロの漫画家になるためのきっかけが欲しいのか、とりあえず描いた漫画に対して編集者の感想を聞きたいのか、理由はそれぞれだとは思いますが、どんな理由であれ、こちらは真剣に評価をしますので、投稿者の方も今持っている実力の全てをぶつけた漫画を描いてきてくれることを期待しています。
コミックハイ!公式コミュニティOPEN!
家にいながら持ち込みが出来ちゃう!
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