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創作限定の自主制作漫画誌展示即売会と言うお仕事-「コミティア」運営実行委員会-後編-だんだんと大きな会場に

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だんだんと大きな会場に移行していったんです

「コミティア」を運営する実行委員会の中村代表にインタビュー。
第2回は「コミティア」の特徴や運営の裏側について伺いました。

【インタビューイ】
コミティア実行委員会代表
中村 公彦さん

―― 開催会場がだんだん広くなってきて、現在は東京ビッグサイトですが、これまでどういった所で開催してきたのですか?

だんだんと移行していったんですけど、最初は練馬産業会館、それから東京都立産業貿易センターに移って、東京流通センターの時代が長かったですね。平行して池袋サンシャインシティも何度か使いました。そのうちにイベントの規模が大きくなって東京ビッグサイトでしか入りきらなくなったんです。ただ、東京ビッグサイトも常に使いたい日程で会場を押さえられるわけではないので、年1回だけ東京流通センターを使ったりした時期もあります。東京ビックサイトに定着してから10年くらいですね。

―― 今はコンスタントに東京ビッグサイトを押さえられるようになったということですか?

さすがに10年借り続けて、毎年同じ時期でやっていると一応押さえてもらえますね。
ただ、同人誌即売会って、会場にとってはありがたい存在ではないんです。余計な経費をかけないために、1日しか会場を借りずに、その日の内に設営も撤去もやってしまう。ところがその1日が埋まってしまうと前後がずっと空いていても他の予約を入れられないってことですから。他の大きな催事の調整待ちで、結構ギリギリまでスケジュールが決まらないこともあります。

―― 確かに見本市などであれば3日とか5日とかありますからね。運営はボランティアが多いと思いますが、だいたい何名くらいですか?

登録でいうと90人近いですね。まぁ、幽霊状態の人もいるし(笑)、仕事や家庭の事情でその回を休む人もいるので、当日の実働だと70人くらいですかねぇ。

―― ボランティアのメンバーはサークル活動をやられている方などですか?

いや、サークル活動をやっている人も居ないわけではないけれど、少ないですね。そういう人はやはり創作活動を優先してもらえば良いと思います。多くは一般参加の読者からボランティアスタッフになるケースが多いです。その代り、当日前日の設営や撤収は一般協力者を募集していますし、サークルの人も協力してくれます。

―― 同人誌即売会はインターネットが爆発的に普及する前と後では結構変わっていると思うのですが、最近の傾向みたいなものはありますか?

最近の傾向だとオンリーイベントが増えているってことでしょうね。
それは本当にインターネットの影響が大きいと思いますね。同じ趣味の人同士が繋がりやすくなったので、イベントをやるとなると当然オンリーイベントになってくるのでしょうね。オールジャンルのイベントを立ち上げるっていうのはすごく減っているんじゃないでしょうか。

だんだん会場が溢れて大きな会場に移るみたいな

―― 第100回の開催も見えてくる時期ですが、それに合わせて何か考えられていることはありますか?

いやいやいや(笑)。
まだ具体的なものは...。ここ2年くらいで何か考えないとねって(笑)。

―― 第100回は何月の開催になるんですか?

今のペースだと5月ですね。

―― ベストなタイミングですね(笑)。

そうなんですよ。

―― 2日開催になったりとか、そういうことは?

いやいや、あんまり怖いこと言わないでください(笑)。

―― コミティアさんは、すごく日がいいというか、ゴールデンウィークの真っ只中などに開催されますよね。

そうですね、はい。それは割りと狙っているところはありますね。
コミティアの開催サイクルはゴールデンウィークだと、スーパーコミックシティの翌日なんですよ。スーパーコミックシティが使い終わった後で机・イスををそのまま借りて、コミティアを開催したこともあるんです。それは、机の規格がちょっと合わなくなって止めたんですが、今でもスーパーコミックシティが終わった後に、そこで荷物を預かってもらって、翌日またすぐコミティアに搬入するといった、協力体制は続いていますね。
でも、開催サイクルはいろいろな都合でどんどん詰まっちゃったりするので準備期間が2ヶ月半ということもあります。ボランティア主体の運営なので、どうしても土日が作業日になって、そこで参加申込みを受け付けて、読書会をやって、アフターレポートを作って発送処理をしてと、サイクル的には厳しいことも多いですね。

―― コミティアを始めたときに、ここまで大きくなった状況を想像していましたか?

いや全く。
だって、それ以前にコミックマーケットですらそんな大した規模じゃなかったんですよ。
コミティアを準備していた頃はコミックマーケットも1000サークルそこそこでしたし。

―― コミティアの場合は、いつくらいからドーンと伸びてきたんですか?

ドーンっていう感覚はないんですよね。
少しずつ伸びていって、だんだん会場が溢れて大きな会場に移るみたいなことが続いて、ここまで来たっていう感じですかね。

―― 創作活動における同人誌の印刷費は大きな負担になるかと思いますが、昔に比べずいぶん安くなっていますよね?

コミティアは1984年スタートで、その前後にいわゆる『キャプテン翼』ブームっていうのがあって、その時に、ものすごい同人誌印刷の革新が行われたんですよ。その時代に印刷費が大幅に下がったんです。それ以降だとそんなに値段は変わってはいない。それよりも納期短縮、2週間必要だったのが1週間でできるとか、さらに3日でできるとか、そういう方向に向かっているところはありますね。それと、最近多いのは自宅のプリンタで同人誌を作るとか、オンデマンド印刷とか、小部数に対応するケースが増えてきている感じがします。コンビニも普及して、コピーが綺麗になりましたし。

是非一度、会場に足を運んでほしいと思います

―― コミティアのなかで各ジャンルの勢いなどに変化はありますか?

大きな流れでいうと「少女マンガ」が減って「ファンタジー」が増えてきています。商業誌の少女マンガにも元気が無いし、求心力が落ちている。それなら、ちょっとファンタジー要素があれば「ファンタジー」ジャンルの方が人も多くて、手応えがありますからね。
あと、ここ2、3年は「イラスト」ジャンルがとても増えました。オンラインでの申込み受付を始めたのも影響があったと思いますが、最近はインターネットが入口になって創作活動を始める人が多くて、彼らは一枚絵から描き始めるんですね。そういう人たちが参加するきっかけになればと思って、ジャンルに「イラスト」を作ったんです。そこから先、彼らはマンガを描くようになるかもしれないし、そういう可能性も期待していますね。

―― コミティアに参加したときの印象ですが、良い意味で会場が静かですよね。あれだけ人がいても、落ち着いた空間ってなかなか無いなぁと。変にギラギラしてないっていうか(笑)。

コミティアの参加者は平均年齢が28・29歳くらいで、ほとんど社会人なんですね。分別のある年頃なんです。
あと、コミティアって基本的に本がそんなに売れないんですよ。だから、たくさん売れなきゃ同人誌をやる意味が無いと考える人は元からあまり参加しない。「一冊でも売れたら嬉しいな」って感覚の人が集まっているので、そうすると割と和やかになるのでしょう。
サークルアンケートによると売上げ冊数の中央値が約20冊。ということは参加者の半分が20冊以下しか売れていないんですよ。そうすると、まぁ売上げであまりガツガツしても仕方ないなぁ、って感じになりますね。

―― コミティアを今後こうしていきたいというものはありますか?

誤解を恐れずに言えば、もっと知名度を上げてメジャーになりたい。「知る人ぞ知る存在」じゃなくて、「マンガ好きなら誰でも知っているような、一度は足を運んだことがある存在」になりたい。もちろん「今のコミティアのまま」でです。
アマチュア中心の自主出版のマンガ本の即売会に、たくさんの人が集まるって痛快ですよね。みんなオリジナルなんだから、人気のあるプロ作品に便乗しているわけじゃない。それだけマンガそのものが好きな人がいっぱい居るってことじゃないですか。こういう自由にマンガを描ける場所があることは、商業誌も含めたマンガというメディアにとっても健全なことだと思うんです。
だから、マンガをはじめとする創作活動に興味があるなら、コミティアに来てみてほしい。来てみて合わなければ仕方がないけれど、まずは一度、コミティアを体験してみてほしいんです。
あとは個人的な夢物語っぽい話になりますが、100回超えた段階で、もうちょっと地方に行きたいなと思います。見本誌をいろいろな地方イベントに貸し出して読書会をやっているんですが、そこに自分が直接行って、二次創作でやっている人たちにオリジナルをやらないか?って話をしたい。結構自信が無くて描かない人も多いと思うんですよ。「どうせオリジナルは売れないし、仲間も居ないし」とか。そんな人達に「こんな世界もあるよ。一緒にやろうよ。」って、オリジナルの地方興しみたいなことができたらいいなっていう夢はありますね。

―― 最後になりますが、創作活動をしていても同人誌を作ったことがない、同人誌即売会に参加したことがないという方も多いかと思うのですが、そういった方に伝えたいことはありますか?

そういう人たちにこそ、一度でいいから同人誌を作って、まずコミティアに参加してほしいと思いますね。
コピー本でいいんですよ。コピーだったら1冊何百円で作れるじゃないですか。コミティアで売れる冊数なんてけして多くないので、10冊くらい作って持ってきてくれればいいんです。10冊でも、いや1冊だって、自分の作品にお金を出して買ってくれる人が居たら嬉しいはずなんですから。
そこで読者との出会いや交流があって、感想をもらえたり、逆に交流っていうのは相手にされないってことも含めてなんですけれど、自分の作品が今どのくらいの位置にあるのか見えてくると思うんです。また、参加サークル同士で仲間として交流できたり。あるいは、自分と同じアマチュアでも面白い作品を描いているライバルを見つけて、負けずに頑張ろうみたいな。そういう刺激は絶対あるはずなんです。だから是非一度、会場に足を運んでほしいと思いますね。

編集後記

中村代表の言う「交流」というキーワード。これこそが「コミティア」の本質ではないかと思いました。
確かに「コミティア」では同人誌の購入以外の目的で色々なサークルを訪れている人がいますし、それを受け入れているサークルを見つけることができます。
また「交流っていうのは相手にされないってことも含めてなんですけれど」というのは同人誌即売会で体験するシビアな現実であり、創作活動に待ち受ける大きな壁なのかもしれません。
ただ、同時に次のステップへと進むためのハシゴであると思います。
創作活動をされている方、創作活動に興味のある方は、一度「コミティア」に参加してみてはどうでしょうか。

建物探訪

前回に引き続き事務所内の本棚をのぞき見です。今回の本棚は資料系のエリアでしょうか?


はじめて気づいた!コミケのカタログって右から左に並べるものなのか!


中村代表の古巣『ぱふ』のかなり古いバックナンバーも。


もちろん最近の『ぱふ』もありますが。


当たり前ですがコミティアのカタログ『ティアズマガジン』も。



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