海外MANGA事情

北米のマンガ事情「日本はマンガのハリウッドなんです

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北米のマンガ事情「日本はマンガのハリウッドなんです

ローゼン閣下による「国際漫画賞」発表など、国際展開の動きが見えつつあるMANGA界。
世界と日本のMANGA文化のいまをレポートする「海外マンガ事情レポート」が始まりました。
その記念すべき第1回として、翻訳業のかたわら、アメリカ合衆国のマンガ・アニメ情報を日本語で提供する人気ブログ「英語で!アニメ・マンガ」を運営するceenaさんに現在の北米のマンガ事情について伺いました。

プロフィール:
ceena
フリーの翻訳者。
北米における翻訳された日本のマンガ事情を調べたり記事を書いたりしています。それ以外にも、講談社の「モーニング」が主催する「国際新人漫画賞」のお手伝いをするなど、海外マンガの紹介の仕事もしています。
某アニメ制作プロダクションで業務関係やチラシ、パンフレットなどの翻訳や、アメリカでのアニメファン・コミュニティを描いたドキュメンタリー映画「Otaku Unite!」の日本語字幕も担当しました。
マンガ以外の仕事では、留学時代の自分のダメっぷりを描いたコラムを地方新聞で週1回連載中で、その他に月に1回映画紹介コラムを書いています。
アメリカのボーリンググリーン州立大学のポピュラー・カルチャー学部大学院を卒業(2003年12月)し、修士号を取りました。
海外のアニメ・マンガ事情に興味のある方はご連絡ください。(現在日本在住です。)

ブログ「英語で!アニメ・マンガ」 https://d.hatena.ne.jp/ceena/

廉価版コミックがすべてを変えた

――まずは、外国のマンガ情報サイトを立ち上げた経緯をお伺いします。

私はアメリカ中西部・オハイオ州にある大学院に、2年半ほど留学していたんですがその時に在籍していたのが、世界で唯一のポピュラー・カルチャーという学部で、私の専門がアメリカのアニメ・マンガだったんです。
そこで、ポピュラー・カルチャーに関する修士号をとりました。
もともと私はマンガ好きで、オハイオ州のわたしのいた所は見わたす限りコーン畑が広がっているような(笑)田舎なのですが、町にあるコミック専門店で日本のマンガやアメリカのコミックスを買ったりしていました。

当時は、今よりもっと日本のマンガが一般に知られていなくて、一部のマンガマニアが日本のマンガを購入していたような状況でした。
そんな中、ポケモンがブームになった2002年あたりでしょうか、TOKYOPOPという会社がティーンエイジャーにも手が届くような価格の安いマンガ単行本を販売するようになって一気に、日本マンガをめぐる状況が変わりました。
それまではわたしのいたような田舎ではコミック専門店でも一般の書店でも、日本のマンガを立ち読みしているひと自体があまりいなかったんです。


【 TOKYOPOP作品 】プリンセス・アイ物語

――それが日本のマンガがブレイクしたきっかけですか?

そうですね。10ドルぐらいの廉価コミックが登場し、一夜にしてすべてが変わったと思います。
特にわたしの住んでいたところではそういう印象を受けました。
その発売を境に、これまで見かけなかったティーンの女の子が日本のマンガを店内で立ち読みする姿が激増したんです。
その後、2003年12月に日本に帰国して、せっかくいろいろ北米でポピュラー・カルチャーを勉強したので、それを生かして北米の日本マンガ事情を紹介したり北米で作られたマンガの情報を日本の読者に提供しようと考えました。
当時から「ジャパニーズ・クール」という言葉で海外での日本のマンガやアニメの人気が日本でも伝えられていましたが、情報があいまいな部分も多かったので、正確できちんとした海外の情報を流すところがもっとあってもいいんじゃないかと。
そんな流れで、いまの「英語で!アニメ・マンガ」ブログをはじめたんです。

ダントツで人気のNARUTOは日本のマンガの人気ではない?

――価格破壊によってブレイクした日本のマンガ人気に一層火をつけた作品は?

これはもう断然、「NARUTO」につきます。
カトゥーンネットワークでアニメが放映されてから「NARUTO」は爆発的な人気を呼びました。
アメリカの業界ニュースを扱うサイトでは、もう後にも先にも「NARUTO」ほど売れる作品は出てこないんじゃないかと書いていたくらいです。
アニメ化の影響や作品自体の面白さも当然ですが、忍者というキャラクターがカッコいいということもあったようですね。
「ニンジャ・タートルズ」というコミックやカトゥーンがありますが、あの作品も忍者キャラクターが爆発的な人気でした。
ただし、現在の「NARUTO」ファンはアニメ・マンガファンというよりは「NARUTO」ファンなので、「NARUTO」ブームが終わったらもう日本のアニメやマンガは見ないだろう、という人もいます。

売れ筋が二極分化している

――「NARUTO」以外の作品の現在の状況はどんな感じなんでしょうか?

う~ん。マンガ自体の売上は毎年伸びてはいるんですが、突出して人気がある「NARUTO」は別格としても、全体として二極分化しているようです。
女の子に大人気で男性読者も多い「フルーツバスケット」みたいにすごくよく売れるものと、あまり売れないものと。
ただやはり日本の話題作が向こうでも話題になる傾向はあると思います。
なにしろ情報が早くて、北米のニュースサイトなどを見ていると、日本で話題になるより先に日本のアニメ・マンガの新情報を大きく取り上げていてびっくりすることもあるぐらいです。
英語の日本アニメ・マンガのニュースサイトや専門のブログもたくさんあって、今ほとんど日本と英語圏のアニメ・マンガファンの間の情報格差はないんじゃないでしょうか。
マンガの発売時期も日本とアメリカの時差が昔に比べるとどんどん少なくなってきていますし。
アメリカ国内を見ても、昔は西海岸と東海岸では西海岸のほうに日本のアニメ・マンガ好きな人が多いという印象がありました。
もしかしたらロスなどの西海岸の都市にはアジア系移民が多くいたせいもあるかもしれません。
でも今は、インターネットの普及やマンガを取り巻く状況の変化でエリアによる違いはあまり感じられなくなった気がします。

――古いというか、日本の昔の名作についてはどうなんでしょうか。

そもそも北米で発売されている昔の名作の点数自体がとても少ない現状があります。
少し前に手塚治虫先生の「きりひと讃歌」が発売されて話題になったことはありましたが、今は昔と違ってマンガの発売点数が多いですから、最近の作品を読むのでファンが手一杯というのもあるように感じます。

――アート系のマンガは北米では受け入れられることもあるのでしょうか?

そうですね~。
どの作品をアート系というのかは難しいですが、マイナーな作品、例えばアニメ化されていない作品や大手出版社以外の作品も少しは発売されています。
でも現時点で売れているといった情報はあまり出てきていません。
日本と比べるとまだまだマンガ読者の数も少ないですし、これから読者の数も増えて読者層が多様化すれば過去の名作やマイナーな作品に目を向ける人も多くなっていくとは思います。

コスプレ好きなアメリカ読者

――最近話題になった一部の作品が売れて、過去のものや知名度のない作品はあまり売れない、という二極分化は日本と似てきたということでしょうか?

二極分化という意味では、状況がよく似てきているんじゃないでしょうか。
ただファンの違いをいえば、むこうはコスプレ好きなファンがもっと多いようです。
コスプレ文化というか。
ファンがアニメやマンガのキャラクターのコスプレをして寸劇のようなものをやるイベントが、日本人歌手のコンサートなどと並んでアニメのコンベンションなどで人気があります。

日本はマンガのハリウッド

――ceenaさんは今後、日本でどのような活動をされていく予定ですか?

そうですね。
今後は北米を中心に海外のマンガ家さんを日本にデビューさせるお手伝いがしたいです。
海外のマンガ家さんたちにとって日本というのは、アメリカにおけるハリウッドであり、野球界におけるメジャーリーグなんです。
多くの北米のマンガ家さんたちが「日本が一番のマンガ大国。いつか日本でデビューできれば」と考えていて、一番の国の市場で自分の作品を発売したいと願っていると聞きます。
ただ、海外からみると、日本のマンガマーケットは非常に閉鎖的な感じがするらしいです。
もちろん日本の出版社にも海外のマンガ家さんと一緒にマンガを出版してきているところもありますし、コミケも海外のグループを受け入れているし、昔に比べると、日本のマンガやその情報は現地でもたくさん手に入るようになってはいるんですが。
日本の編集者さんの仕事の仕方は他国と違う点もあるようですし、なかなか外国のスタッフが入りづらいというのもあると思います。ただし、これからはインターネットを使ってそういった壁が低くなるんじゃないかと考えています。わたし自身は日本のマンガ界でデビューしたいという才能のある海外のマンガ家さんと日本をつなぐ、架け橋のような仕事がしたいです。
大風呂敷なんですけど、これからマンガ界全体が発展していくためには、いろんな国との交流、流通というか多様性がすごく重要になってくるんじゃないでしょうか。
ハリウッドもアメリカのコミックス界も多国籍のスタッフや作家さんたちの力で発展してきましたし。
外国のマンガ家さんだけではなく、日本のマンガのためにも色々な国の人との交流や色々な国の人の作品が日本でも読めることがこれからは必要なんじゃないかなと思います。

北米のコミック専門店における日本のマンガ売上2007年5月期トップ13
01(19) ナルト 14巻
02(28) BLEACH 19巻
03(33) ベルセルク 17巻
04(42) MEGATOKYO 5巻
05(43) LOVELESS 5巻
06(50) ガンスミスキャッツBURST 1巻
07(56) 新世紀エヴァンゲリオン:鋼鉄のガールフレンド 5巻
08(58) 魔法先生ネギま! 14巻

09(66) STREET FIGHTER ALPHA 1巻
10(76) SAMURAI DEEPER KYO 22巻
11(96) ガンスミスキャッツOMNIBUS 2巻
12(97) 頭文字D 26巻
13(99) ラブモード 5巻
出典:北米のコミック業界向けニュースサイトICv2の記事「2007年5月のグラフィックノベル売上100」より
(カッコ内の数字は「グラフィックノベル売上ベスト100」内の順位)

編集後記

マンガ好きがこうじて帰国後、マンガ情報ブログまで立ち上げてしまった行動派の女性、ceenaさん。
当マンガソーシャルメディアでも国内外を問わず、行動派マンガ好きの書き手・読み手が集まる場ということで、世界と日本をつなぐ架け橋としてご参加いただけるとのこと。
今後、創作・発表の場にとどまらず、公募イベントや作品の販売パートナーのマッチングの場などもいろいろ用意していく予定ですので、このメディアもご自身の架け橋づくりにぜひご活用ください。



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