永田町1丁目、国会議事堂と最高裁判所の間-日本国内で唯一の法定納本図書館「国立国会図書館」
掲載日:2007.09.24
今回のマンガ紀行は、日本国内で唯一の法定納本図書館「国立国会図書館」へ行ってきました。
国立国会図書館は、 マンガに限らず、日本で刊行された全ての出版物が納められることになっています。今回は、国立国会図書館に所蔵されている貴重なマンガの数々を拝見させていただきました。
永田町1丁目、国会議事堂と最高裁判所の間に国立国会図書館はあります。
利用者入り口方面へと向かっていきます。
早速館内へ。
国立国会図書館は、閉架式図書館となっていますので、あらかじめ調べてから来館することをお薦めします。(所蔵されている本の検索は、国立国会図書館のホームページ上でも検索することができます。国立国会図書館ホームページへ)
まずは来館される際の大まかな流れをご紹介いたします。
入り口からみた館内。入館したらまずは、左側に設置されてあるパソコンから読みたい本を検索・申請します。
ホール中央奥にあるのが図書カウンター。申請した本の受け取り、返却を行います。
カウンターで本を受け取ったら閲覧室にて本を読みます。(館外へ持ち出すことはできません。)
こちらの室は、室内に納められてる本でしたら、パソコンからの申し込みがなくても閲覧が可能です。
以上が来館から閲覧までの流れとなります。申し込まれた本は、合計3,300万点もの所蔵の中からスタッフが探し出してきてくれます。
こちらが本館の書庫。本が取りやすいように天井が低い構造となっています。
パソコンから申し込まれた本は、各階にリストとして上げられ、それをスタッフが探してくる仕組みになっています。
次ページは、貴重なマンガの数々を紹介
貴重なマンガの数々を紹介
書庫へ入館申請をし、案内していただいた場所は、なんと金網に施錠までされた部屋でした。(衝撃のあまり写真を撮り忘れてちゃいました)
部屋の中へ入り、早速ご用意していただいたマンガを見せていただきました。
見るからに貴重そうな本の数々!
この部屋に収められている本は、かなりの値段がするとのことです。
明治時代の作品。色がかなりキレイにでています。
特殊な紙でつくられているのが印象的でした。
BLっぽい?感じの本も明治時代からあったようです。
こちらは写真になりますが、マンガを描かれる方にとっては時代の風俗を知ることができる貴重な資料と思います。
日本最初の漫画雑誌『ジャパン・パンチ』。画像は1877年9月号の表紙。
内容はこんな感じ。
明治以降になってくると、だんだんとコマ割りが使われるとようになってきます。
こちらはカラーマンガ。
近藤浩一路による夏目漱石「坊ちゃん」の漫画版。
内容はこんな感じ。
著作権が切れている作品の一部については、国立国会図書館のサイト上で閲覧することができます。
戯画、風刺画などのマンガ以外にも写真、書物など、4万コマ以上がサイト上でご覧になれますので、マンガを描かれている方には、その時代の衣装や情景など刺激を受ける資料ばかりかと思われます。是非一度はご覧になってみてください。江戸時代以前の資料をご覧になる場合は、「貴重書画像データベース」、明治期、大正期の一部については「近代デジタルライブラリー」にてご覧になれます。
「貴重書画像データベース(江戸時代以前の資料を掲載)」へ
「近代デジタルライブラリー(明治期、大正期の一部)」へ
現代のマンガ本が納められている書庫へ
場所を移動しまして、現代のマンガ単行本が納められている書庫へ案内していただきました。
書庫は発売された年代順に並べられているとのこと。
ですので、各作品数巻ごとにまばらに収納されています。
続いてマンガ雑誌の資料をみさせてもらう為、地下30mにある新館の書庫へと移動。
建物中心部は吹き抜けになっています。これは緊急時の避難経路にもなります。地上からの光が眩しい!
どこまでも続く通路。長さ100m以上!そのサイドの棚には膨大な数の図書が保管されています。
団団珍聞(まるまるちんぶん)。1877年に創刊された初めての大量発行漫画誌。※通常は原本ではなくマイクロフィルムをご利用いただいています。
国立国会図書館の前身である帝国図書館にて保管されていた時の印も押されています。
内容はこんな感じ。
まだまだ漢文も多く使用されていたようです。
こちらの驥尾団子(きびだんご)は、団団珍聞の載せきれなかった付録の一部を独立させ、雑誌としたもの。※通常は原本ではなくマイクロフィルムをご利用いただいています。
ちなみにお値段は5銭。当時のカレーライスが8銭程だったらしいので、現在に換算すると、500円くらいでしょうか。
様々な絵柄の作品が収録されています。
右ページの絵柄がなんとなくしりあがり寿っぽい。
1905年創刊の東京パック。近代漫画の父「北沢楽天」が1912年まで朱筆を勤めた全頁カラーの漫画雑誌。
東京パック第4号の表紙。
この頃になるとコマ割りされたマンガになってきます。
作品タイトルは「荒馬物語 葉書の取持つ縁」。恋愛マンガのようです。
次ページは、私たちの見慣れたマンガ雑誌書庫へ
この先何十年とマンガを保存していくために
階を移動し、最近(といっても昭30年以降ですが)のマンガ雑誌が収納されている棚を見させていただきました。
だいたい一つの棚に一雑誌が収納されていました。
資料のタイトルごと、刊行順に収納されています。
こちらは冒険王。
内容はこんな感じ。
こちらの雑誌は真ん中がパッカリと割れてしまっています。
こっち劣化により裏のページが透けてしまってます。
最後の写真数点を見ていただくと分かると思いますが、利用された際の破損がマンガの単行本、雑誌にかなり多く、スタッフの方々は 利用と保存の両立にかなり苦慮しているとのことです。
今後、何十年何百年と保存していくにあたり、でマイクロフィルム化やデジタル化などの対応法がありますが、まずは保管されている図書に対する利用者一人一人の配慮が不可欠かと思います。
以上、簡単ですが国立国会図書館のご紹介となります。
国立国会図書館のホームページでは、貴重書画像データベースや電子展示会など様々なサービスがご利用になれますので、こちらも是非ご覧くださいませ。
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