『ひらやすみ』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

主人公の生田ヒロトは29歳のフリーター。役者を目指して山形から上京したものの、好みの女優を前にすると緊張して固まってしまい、NGを連発。

夢破れて今は釣り堀のバイトで日銭を稼いで過ごしている。
もうすぐ三十路突入だが、次のステップについては何も考えていない。お気楽な性格のおかげでとくに焦りもない。

そんなヒロトには年の離れた友人がいた。
週2回、夕飯をごちそうになる1人暮らしの老婆・はなえさんだ。

はなえさんは83歳で亡くなるのだが、身寄りのない彼女は「自宅（平屋）をヒロトに譲る」と遺言に書き残していた。

晴れて4万8000円の家賃から解放されたヒロトのもとにやってきたのがイトコのなつみ。美大に合格して上京し、ヒロトの家に下宿することになるのだが――。

29歳と18歳のイトコ同士が、ボロボロの平屋でドタバタの生活をスタート。
泣いたり笑ったりの日常が描かれるのだが、そんな2人の周囲に、大東京での生きづらさを感じている人々が少しずつ集まり始める。

まるでそこだけ時が止まっているかに見える平屋が放出する、癒しのオーラがたまらない。

息苦しい毎日を過ごす中、ちょっと立ち止まって深呼吸したくなったら、レトロな喫茶店に飛びこんで本書のページをめくるべし！