アイターン(1) Iターン (モーニングコミックス)
講談社
2019/12/23 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
~大人漫画ならラブもギャグもシリアスも読みごたえと面白さ重視で選ぶ40作品紹介~
公開日:2018年03月02日最終更新日:2022年06月26日
大人漫画を読むと生きるって意外と大変なんだと当たり前のように発見がある。
大人になったって人生に迷う時もある。でも楽しいことも時々あったりする。これが絶妙に微妙。ましてや男と女ならではの官能的展開から人生の滋味深さ、せつなさ、人間ゆえの愚かさを教えてくれる。
大人漫画でおすすめの人気作品を探せる! 大人漫画が気になるあなたにおすすめの代表作の無料試し読み、関連の漫画、動画配信情報(アニメ化・TV化・ドラマ化・映画化等)も紹介。全40作品を最新のランキング別にて紹介
大人漫画といえども今や子供だって青年誌を読んでたりするし、逆に大人が少年誌を読むのは普通だ。漫画の読者としての大人と子供の境界線はきっと学生か社会人かの違い程度。でも世の中には「大人になってもわからない」ことがたくさんあって、努力と友情だけじゃ勝てない何かに向かわなくちゃならない事もたくさんあって、正義や愛や根性だけではどうにもならないこともたくさんある。誰もが人生というリアルで複雑で、それでも愛しい時間や場所や人間達を大切にしながら、なんとかギリギリ生きている。そんな毎日にどれだけドラマを読ませるか? 大人漫画の醍醐味はここかもしれない。
さらに「あわせて読みたい」コーナーでテーマやジャンルでの類似漫画や同じ掲載誌からもあなたが気になる面白い作品を次々紹介!巻数別、ジャンル別、新着順を簡単に絞り込み!そのうえ、気になるマンガ家の関連作品にも出会えます。
このページの作品紹介は『奈良崎コロスケ』さんです!
講談社
2019/12/23 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
福澤徹三の小説『Iターン』のコミカライズ。2019年の「モーニング」連載時にムロツヨシ&古田新太のW主演でドラマ化も果たし、マルチメディア展開された。スーツ姿の男が顔を腫らしている表紙(1巻)が印象的だが、彼が本作の主人公・狛江光雄だ。狛江は中堅の広告代理店に勤めるアラフォーのサラリーマン。
さしたる実績もないまま勤続16年目を迎えた平凡な社員である。そんな狛江に突如転勤話が。上司は「九州のとある街に支店長として出向き、てこ入れをしてほしい」という。栄転に見えてリストラありきの左遷。業績不振の田舎支店へ飛ばすことで、体よく退職を促しているのだ。
この後、九州に単身赴任した狛江が心機一転、中年男の奮闘劇が始まる……わけではなく、想像を絶するとんでもないジェットコースター展開が待ち受ける。反社会勢力組織がらみの思わぬトラブルに巻き込まれ、多額の借金を背負うハメに陥るのだ。
狛江には悪が、冴えないアラフォー男が見知らぬ土地で地獄を経験し、どんどん裏社会にからめとられていく様が抜群に面白い。悲惨な状況に陥っているものの、どんどん狛江が野性味あふれる男の顔つきになっていく点がキモ。裏社会とは縁のない庶民にも共感度大なピカレスク・ロマンだ。
竹書房
2022/04/30 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
福本伸行の作品にはほとんど女性が出てこない。「ギャンブルの世界に女性は必要ない」という信条からだ。女性キャラを描くのが苦手なことも大きいだろう。だからして出てきても単なるにぎやかしであり、主要キャラクターではなかった。ところが本作は、なんと女性主人公。
それもアカギのハートを持つ少女だというのだから驚きだ。舞台は伝説のバクチ打ち・赤木しげるがこの世を去ってから20年後の東京。今や麻雀の代打ちでトラブルを解決するなど古臭い時代となったが、かつて赤木と親交のあった野崎治は細々とマネージメント稼業を続けていた。野崎が開催するのは「闇麻」と呼ばれる特殊ルールの麻雀。そして代打ちを行うのは、なんと今時の女子高生で――!?
数々の特殊ゲームを生み出してきた福本が、「供託点棒を払えば危険牌を伏せたまま捨てることができる」という、とんでも麻雀で勝負してきた。ブラフが得意な人間が有利となるのは、ポーカーに似たゲーム性だ。なるほどこれは面白い。
『天』『アカギ』と同一世界観ということで、福本ファンにとっては思わずニヤリとする場面も多数。ただしヒロイン造形はあくまでトンガリ鼻の福本キャラ。“萌え”とはほど遠いが、まぁ、いきなり場違いな美少女が出てきても違和感あるので仕方ないか……。
日本文芸社
2005/05/19 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
ビリヤード漫画『ハスラー・ザ・キッド』を筆頭に約100タイトルを発表し、30年以上プロの現場で活躍してきた漫画家・黒咲一人。しかし55歳を迎えた2003年、ついに原稿の依頼が途絶えてしまう。漫画家として「終わった…」と感じた黒咲は全てを捨て去り、お遍路の旅へ出ることに――。
果たして彼はお遍路の先に何を見つけたのか。その全てを余すところなく描き上げたドキュメンタリーだ。
黒咲ほどの実績あるベテランの漫画家なら(独身だし)、恐らくそれ相応の貯金も出来たはず。だが彼は無頼タイプで、酒もタバコも博奕も大好き。おかげで仕事がなくなれば即・素寒貧なのだ。漫画家としての実績しかない以上、50代半ばのおじさんをゼロから雇ってくれる職場が簡単に見つからないのは当たり前。
第2の人生を始めるには始められない彼は、自分を見つめ直すためにお遍路を選択する。
大御所・本宮ひろ志を筆頭に、助け舟を出してくれた漫画家仲間に頼らなかったのは、30年以上漫画家としてやってきた意地とプライドだ。5000円で買ったポンコツの中古三輪自転車に全財産を詰め込んだお遍路は、壮絶の一言。
それでも旅先で出会った人々の優しさに助けられながら、どうにか高野山を目指す。死に場所を求める旅だったはずが“生くべき道”を探す旅に変わる瞬間に、熱いものがこみ上げる。
講談社
2022/02/22 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
40代になっても独身生活を謳歌していた美しい伯母。その伯母が70歳となり、誰にも発見されずに風呂場で死体が見つかった。ショックを受けた鳴海(35歳・独身・彼氏ナシ)は、婚活から終活にシフトする。1人で死んでも腐らないために……。なんとも身につまされる話である。独身のまま30代後半に突入した、あらゆる人にとって恐怖でしかない設定である。既婚者にしてもパートナーに先立たれる可能性はあるわけで、平均寿命の高い女性ならなおさら「終活」の2文字が重くのしかかることだろう。「それでも35歳で終活なんて、いくらなんでも早すぎる!」というツッコミが聞こえてくるようだが、ここでいう「終活」は高齢者の「終活」とは少し違う。自分の生き方を見つめ直すという意味だ。
鳴海のことが気になっている年下の同僚・那須田君は、彼女に接近するきっかけとして「将来設計」という共通の話題に食いつき、フィナンシャルプランナーのごとく厳しい言葉を成美に投げかける。「35歳女子の婚活にはオジサンしか食いつかない」、「子供が老後の面倒を見てくれるなんて都市伝説」、「その年齢で別業種への転職は厳しい」……。危機感がなく、発想が古く、将来設計に対して無知と罵られる鳴海は、山口の気持ちに一切気づかぬまま、1人で生きていくための準備を少しずつ開始する。
将来設計、孤独死、介護問題など目をそむけたい話題がわんさか出てくるが、快テンポのギャグを速射しながらぶっ飛ばして進むので、爆笑しつつもいろいろなことを考えさせられる好システムとなっている。まさしく全オトナ必読! 特に「死んだあとのことなんか知らねーよ!」とイキっているアナタ! アナタにこそ読んでいただきたい終活マンガのニューウェーブだ。
朝日新聞出版
2021/03/22 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
パチンコ・パチスロ系の漫画誌を主戦場にしていたベテラン漫画家・井上いちろうによるノンフィクション。ほんの3年前に30年ローンで一戸建てのマイホームを購入したのに愛妻と愛犬はあっさり家を去ってしまった。
けっきょく家を売り、ホームレスとなった井上は、住民票を田舎の実家に移して車中泊生活をすることに……。導入はこんな感じだが、別に井上はお金に困っているわけではない。ちゃんと家は売れたので、元妻と折半しても多少の蓄えは残ったのだ。
それでも彼が車中泊生活を始めた理由はハッキリと描かれていない。恐らくは喪失感を埋めるためだったのだろう。
ところがこの車中泊生活を漫画にしてツイッターにアップしたところ大きな反響が。家族も失い、漫画家としても行き詰まりを感じていた50代のベテランが、結果的に状況を打破するきっかけを得るのだから人生は面白い(iPadひとつで漫画が描けるデジタル作画時代ならではですな)。
この車中泊、ポイントは目的がないところ。とくに遠出もせず、基本的には東京都周辺の県をぐるぐる回っているだけなのだ。文字通り自分探しであり、居場所探しのあてのない旅。だから特に大きな事件も起こらない。そのリアリティが最大の魅力だ
講談社
2021/09/08 新巻発売
ストーリー性
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画力
読後感
清野とおるの代表作『東京都北区赤羽』のアナザーサイドストーリー。2008年。『東京都北区赤羽』を描き始めていた清野だったが、まだまだ知名度は低く、弁当屋のバイトも辞められない。
しかも拠点としていた居酒屋「ちから」が閉店したことで心にポッカリ大きな穴を開けていた。そんな悶々とした日々を送っていたころ、いつも深夜の弁当屋に現れるド派手な化粧と衣装を来た老婆が気になり始めていた。ほどなくして清野はうっかり入ったスナック「キャンドル」で老婆の姿を発見するのだった。
ここからは清野のヒキが全開。この「キャンドル」こそ「ちから」に匹敵する魔窟だったのである。あらゆる店を出禁になった老人、おもしろい顔を執拗に披露し続ける料理人、ニャーニャーと鳴き続けるモデル風の美女……。
次々と訪れる珍妙な客たちに清野のワクワクは止まらない。あまりの濃厚さに10年間の熟成期間を必要としたというその内容は、赤羽とは違った禍々しさに満ちている。ついに開けられた禁断の扉。心して中身を覗くべし!
講談社
2022/01/20 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
日本ビール界の第一人者・藤原ヒロユキを監修に迎えて送る新人・敦森蘭のデビューコミックス。クラフトビールがつなぐちょっと不思議な関係を描く。25歳の若手イケメン俳優・藤田アランと、かつては名作を何本も撮ったが、最近はメガホンをとっていない52歳の映画監督・高田頼道。
そんな2人が、ひょんなことから意気投合。「(酒場へ)よりみち」するのが大好きな頼道にアランが誘われる形でディープな飲み仲間へ。もともとアランは頼道の熱烈なファン。ただしリスペクトしすぎるあまり、いつしか恋愛にも似た感情を抱きはじめて!?
2人が待ち合わせるのは2021年現在、実在するクラフトビールの名店ばかり。代々木、自由が丘、北千住、新宿、中野、日本橋、両国と、東京中をまわりながらビア活に勤しむアランと頼道を見ていると、読んでいるこちらまで喉が鳴る。
ほろ酔いの2人繰り広げる映画談議も魅力の1つ。果たしてビールを通して2人の関係性が変化し、映画に結実するのか否か。ビール片手に行く末を見守りたい
祥伝社
2020/09/08 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
"衝撃的なタイトルである。だが、あらかじめお断りしておくと、泥沼不倫や凄惨なDVのようなゲスい&キツいエピソードは皆無です。
主人公は作者の“はな”。ごく普通の若い女性だ。
夫とは学生時代からのつきあいで、社会人3年目のときに妊娠。
いわゆる授かり婚で夫婦生活をスタートさせるも、出産・育児と怒涛の日々を送るうちに、どんどん夫への不満をつのらせていく。
若手サラリーマンである夫はノミニケーションを断れず、週に何度も泥酔して帰ってくるのだ。
口先では家事や育児を手伝うと言いつつ、ほとんど何もできない状況。
そのくせ外面だけは一丁前で、自分ではイクメンだと本気で思いこんでいる。
ストレスがたまりにたまったはなは、「夫を捨てたい」と思うまでに追い詰められていく。
客観的に見れば、この若い男性はダラしない側面こそあれ、そこまで酷い夫というわけではない。
子どものことは可愛がっているし、奥様のことも愛している。
それでも育児を妻に丸投げし、外でも家でも酒をあおり、休日は疲れて何も出来ずにグロッキー。
そのクセ「部屋が汚い」だの「太った」だのとチマチマ言われたら、妻はたまったもんじゃないのである。
はな自身も仕事に復帰したものの飲んで帰ることなど許されず、二足のわらじでてんやわんや。
こんな状態でも稼ぎは彼女のほうが多いとなると、モヤモヤした気分になるのも至極当然。
果たして彼女が下した結論とは?
どこにでもいる夫婦の小さな小さな物語だが、既婚者(とくに女性)ならば、世代関係なく誰しもが大いに共感できるはず。
とくに男性が一読すれば、夫婦のありかたを今一度見つめ直す大きなきっかけになること請け合いだ。"
双葉社
2015/03/16 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
子どもがいるいないにかかわらず、非常に考えさせられるノンフィクション。
主人公は作者の分身・棚橋正和。
彼は小学1年生にして不登校になってしまった。
引き金となったのは教師による理不尽な体罰だ。
「ちゃんとしないと怒られる」と思えば思うほど前へ進めなくなる。
不登校を続ければ続けるほど“普通”じゃない自分が怖くなる。
まさに負のスパイラルだ。
両親は精神科に連れて行くが、ハッキリとした診断はくだらない。
2年生になり、新しい担任の女性教師には少し心を開き、学校が楽しいと思えることもあったが、彼女が去った後は再び不登校に。
こうして毎年変わる担任や様々なタイプの家庭教師との出会いと交流、別れが描かれていく。
両親や教師たち以上に正和少年の心の支えになってくれたのが『ドラゴンボール』。
悟空を白い紙に描くことで、彼の中に無限の世界が広がっていく。
中学生となった正和は相変わらず不登校気味だったが、母親が同級生だった縁もあり、なんと鳥山明先生と会えることに――。
基本的には不登校児だった作者の目から見た大人への不信感が最後までブレなく貫かれている。
それは、どんなに優しい先生に対しても。
そこが本作最大のキモだ。
鳥山に出会ったことで生きる希望こそ見つけるが、ガラリと人生が一変して!……といったドラマチックな展開でまとめないところに、作者が伝えたかったメッセージがこめられている。
巻末には鳥山が1600Wにおよぶテキストを寄せている。
鳥山ファンならずとも必読だ。
祥伝社
2021/11/08 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
32歳にして実に24回もの転職を繰り返している北方啓介。高学歴・高身長のイケメンというハイスペックだけに新しい職場では常に過剰な期待がかかるが、ことごとく失敗。
現在勤める芸能プロダクションでも華々しく新人女優を売り出すところまではよかったが、デビュー当日に裏切られる始末。失意でボロ雑巾になっているときに出会ったのが、運命の女性だった――!?
超絶クールなヒロイン・吉川塁が最高! 21歳にして恋愛経験はかなり豊富だが、どうしても長続きしない。それでもまったく動じないのが最大の魅力だ。
というかこの塁ちゃん、恋愛に限らず、何に対しても物おじせず、適当な愛想笑いもせず、毅然とした態度を貫き通す清々しい人なのだ。
そんな塁と偶然出会った北方は色々な意味で彼女に一目ぼれし、スカウトを敢行。しかも勢い余ってプロポーズまで!?
不器用ながら真摯に自分に向き合ってくれる北方となら本気で仕事が出来ると確信した塁が芸能の世界に足を踏み入れ、二人三脚で1つまた1つと階段を上って様に胸が熱くなる!
白泉社
2014/09/29 新巻発売
ストーリー性
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画力
読後感
『金魚妻』『復讐の未亡人』でおなじみ黒澤Rによるインタビューコミック。日々締め切りに追われる漫画家たちが疲れた腕と心を癒すために訪れる酒場「R's Bar」。そこに訪れる漫画家たちから、Rママが根掘り葉掘り話を聞き出すというのがコンセプト。『ハチミツとクローバー』『3月のライオン』の羽海野チカを筆頭に、押見修造(『惡の華』)、花沢健吾(『アイアムアヒーロー』)、浅野いにお(『ソラニン』『おやすみプンプン』)、若杉公徳(『デトロイト・メタル・シティ』)といった当代きっての人気者たちが代表作の創作秘話を披露してくれる。
他のインタビューでは読めないような話にも踏み込んでいるのは、Rママが登場する漫画家としっかりした繋がりがあるから。例えば彼女はもともと羽海野のアシスタントであり、『3月のライオン』の背景を担当していたのである。押見修造とは家族ぐるみの付き合い、花沢健吾の妻とはもともと友人…といった調子だ。もちろん初対面の漫画家もいるが、同業ということで心を許せる部分が多いのだろう。浅野いにおが「少年ジャンプの漫画くらい売れたい!」と心の叫びを叩きつけるなど、門外漢の記者が上っ面の質問を投げかけるようなインタビューとは全く違った内容だ。1話につき8ページなのに、ぎっしりと情報が詰まった力作。登場する漫画家やタイトルのファンはもちろん、漫画家志望者にもぜひとも読んでほしい。ここにはヒット作を生み出すヒントがちりばめられていますよ!
イースト・プレス
2020/02/13 新巻発売
ストーリー性
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画力
読後感
70年代初頭~80年代初頭にかけて、さまざまな少女漫画家のアシスタントを務めてきた笹生那実(さそう・なみ)。
高校3年生のときに漫画家としてデビューするもブレイクを果たせず、長らく商業漫画からは引退状態であったが、同人活動をきっかけに32年ぶりにメジャーの世界へカムバック。
師匠・美内すずえとの出会いとアシスタント先での出来事を主軸に、くらもちふさこら同世代の漫画家たちの交流などが生き生きとしたタッチで描かれる。
笹生はすでに60代半ばだが、30年以上のブランクを感じさせぬ画力・構成力には恐れ入る。
それにしても少女漫画黎明期のレジェンドたちの早熟なこと。
中学~高校でのデビューが当たり前の時代、高校生の笹生が憧れていた美内はハタチそこそこだったのだ。
まだまだ世間的な評価が低かった少女漫画を一段上のステージに引き上げて行った若き天才たち。
〆切に追われる現場はまさに修羅場。
現代ならば真っ黒すぎる職場だ。
ほとんど眠れず風呂にも入れず、それでも怪談話でわいわい盛り上がれるのは若さゆえか。
今もなお未完である『ガラスの仮面』の裏話など驚きのエピソードが凝縮。
当時の空気感がそのままパッケージされている歴史的にも貴重な作品だ。
講談社
2020/07/08 新巻発売
ストーリー性
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画力
読後感
2020年に入ってからツイッター・アカウントを妻が運用し始め、過去作から新作まで様々な作品をアップして宣伝したところ、大量の新規ファンを獲得。
見事に再ブレイクを果たした福満しげゆき。
初期代表作にして出世作の『僕の小規模な失敗』も重版出来となった。
まだ何者でもないのに肥大化した自意識を垂れ流してしまう青春時代。バカっぽいヤンキーを遠目で眺めながら、自分のほうがマシだと溜飲を下げる。そういう自分は陰キャ・オブ・陰キャ。
ルサンチマンを抱えてモンモンとしている自分も、可愛い彼女のいる羨ましい同級生も大嫌い。
男子たるもの共感せずにはいられないエピソードのオンパレードだ。ここにはドロドロの青春&性春がたっぷりと詰まっている。
ただ本書を読む限り、福満は陰キャであっても決してコミュ症というわけではない。
定時制高校では自ら柔道部を作って大会に出たり、中学時代の友達とルームシェアをしてみたり、接客業のバイトだって普通にこなしている。
何よりも後の妻となる金髪美女には猛アタックを敢行、何度ストーカー呼ばわりされても食い下がり、見事に結婚までこぎつげるのだからすごい。
その後の小規模シリーズしかり、『うちの妻ってどうでしょう?』『妻に恋する66の方法』しかり、明るく天然な妻の存在と献身的なサポートがなかったら、20年近く漫画家を続けてはこれなかったことは明白。
その後の福満の漫画道を決定づけるさまざまな出来事が凝縮されている特濃の逸品をぜひとも堪能してほしい。
あぁ、人生って本当に面白い。
集英社
2014/01/17 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
『ヒカルの碁』の原作者・ほったゆみが、「カラオケを楽しむようにマンガを描いてほしい」という希望を込めて贈る超初心者向けのマンガ入門。マンガの入門書というと若者向けのイメージがあるが、本書は町のカルチャーセンターのように幅広い年齢層に向けているところがポイント。プロを目指すための本格的なものではなく、あくまでマンガを描く楽しさを、もっと多くの人に知ってほしいという趣旨だ。
マンガといっても1コマ、4コマなどいろいろなものがあるが、本書がこだわっているのはコマを割ったマンガ。ほったがお題として出す小さなエピソードをベースに、コマを割ったマンガを描いてみるのが基本だ。登場するのは小学生から中高年まで、基本的にマンガを描いたことのない人。素人なので1ページにむちゃくちゃ多くコマを詰め込んだり、視線誘導ができてなかったり、顔のアップばかりだったりもするが、そういうことをいちいち指摘せず、ちゃんとマンガとして成立していればOKというスタンス。驚くことに、みなちゃんとコマを割ったマンガを完成させているのだ。さすがマンガ大国、日本である。
構図や演出をどうすれば読みやすくなるのか、ということにも言及しているが、小難しいことは一切抜き。プロの漫画家も登場して同じお題に挑戦しているのが面白い(素人と比べ、どこが優れているのかが一目瞭然)。読めば必ずコマを割ったマンガを描いてみたくなる画期的な“マンガ挑戦マンガ”だ。
講談社
2022/04/21 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
宝島社の「このマンガがすごい!2012」にて、見事にオトコ編1位を獲得した『ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜』。
作者の吉本浩二はドキュメンタリー系の漫画家として確固たるポジションを確立し、以降も『さんてつ』『淋しいのはアンタだけじゃない』『ルーザーズ』と話題作を世に送りだしてきた。
そんな人気漫画家だけに、さぞやいい暮らしをしているのかと思いきや、小遣いは定額制で月2万1000円!
漫画家ドリームも、今は昔になりにけり……。
悲しいかな、1日あたり700円でやりくりしないといけない計算だ。
小さな子供を2人抱えているとはいえ「奥様の締め付けが、ちょっとキツすぎないかなぁ」とは思うが、その妻の小遣いは驚愕の月7000円…。だからして吉本も何もいえないのである。
本作は吉本を始めとして、彼と同じようにギリギリの定額制小遣いでがんばっている人たちが続々と登場。
彼らが月々のやりくりをどう工夫しているのかを検証していくのがテーマだ。
たとえば酒もたばこもやらない吉本の場合、お菓子が大きなウエイトを占める。
普段は夜中にこっそりコンビニでポテチを買い、残金が乏しくなるとスーパーで激安品を見繕うのだ。
業務用スーパーをフル利用し、ポイ活にはげむ仲間たちと情報交換しながら、世知辛い日々をサバイバルしていく吉本。
小遣い定額制軍団の涙ぐましい努力に拍手喝采!
講談社
2021/06/11 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
マンガの新連載を始めるけれど、何も描けない主人公・真幌。今までの作品は自分が作ったものではないという手紙での告白からすごく引き付けられました。
締め切り前のマンガ家と編集者のシーンから真幌の高校時代の思い出のシーンになり、雪嶋センパイとのやりとりなどテンポが良く、とても面白くて一気に読んでしまいました。
雪嶋センパイが死んだ過去を変えて、未来も変えていこうとするタイムリープものです。真幌だけがタイムリープに巻き込まれているのではなく、他の人物も巻き込まれているっぽくていろいろと衝撃でした。
雪嶋センパイが心臓の病気だと思っていたら死因が違ったり、謎がいろいろと解けていったり、これでタイムリープを抜け出せるのか?と毎回続きが気になって気になって!
読み返すことで1回目ではよく分からなかったところも理解できたりするので何度も楽しめます。今後どういう風に展開していって、どういうラストになるのかがすごく楽しみです。
三才ブックス
2010/04/16 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
任天堂を熱狂的に支持していることで知られるピョコタン(最近はYOUTUBERとしても活躍中)。1977年生まれの彼にとって、小3のときに発売されたファミコンの影響力はディープ・インパクトだった。本作に収録された半自伝によると、「それはもう気が狂ったようにひたすらやり続けた…」とのこと。そしてファミコンに脳を支配されたまま中学生になり、スーパーファミコンが登場してますますゲームにのめり込むようになる。高校を卒業したピョコタンはゲーム系の専門学校に入学し、ゲーム制作の現場を体験したが、その過酷さを目の当たりにして業界への就職は断念。在学中にマンガ家デビューし、現在も「コロコロコミック」などで活躍中だ。
とっくに不惑を過ぎたが、2019年現在でも任天堂愛は大健在。任天堂株を購入し、株主総会でお宝グッズをゲット。株価の下落で多額の含み損を抱えた際も売却することなくストロングホールドしたことに信者としての矜持が垣間見える。任天堂ネタ以外にもポーカーやサバイバルゲームなど大人の遊びに興じるエピソードが満載。少年の心を忘れないどころか、どんどん増幅しているピョコタンのブレのなさに感服しきりだ。
白泉社
2017/03/29 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
週刊連載を勝ち取ったものの読者からの反応は薄く、それでもシャカリキに漫画と向き合ってきた富士屋カツヒト。
打ち切りを告げられた直後、妻の妊娠が発覚。天国と地獄が同時にやってきた!
富士屋は(本作内では)28歳。まだまだ若いが妻も仕事をヤメることになり、否が応でものしかかってくる金銭問題に焦るばかり。
これまでのようにお金になるかどうかもわからないネームをシコシコと描いている猶予はなくなった富士屋は、漫画をいったんお休みして、大工仕事の契約社員に就くことにしたのだが――。
家族が増えることで岐路に立たされた漫画家の葛藤と右往左往が、ひたすらに切々と綴られていくのがポイント。
お話を盛り上げるために過剰な演出を施さない点に好感が持てる。
ただし「父親目線の育児エッセイ」とキャッチにはあるが、そこの部分はかなり薄味。
アラサーの青年が次のステップに進むため、決断に次ぐ決断を迫られ、歯を食いしばって乗り越えていく成長物語として読み応えがある。
講談社
2013/05/10 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
爆発的なヒット作こそないが、間違いなく日本漫画界にとって最重要人物のひとりである辰巳ヨシヒロ。1950年代から貸本マンガを中心に大人向けのシリアスな作品を発表、子ども向けであった従来の“まんが”とは一線を画す“劇画”という言葉を生み出したのは彼である。『劇画漂流』はそんな辰巳の自伝的作品。物語は勝見ヒロシ(辰巳ヨシヒロ)と兄の勝見興昌(桜井昌一)が漫画家を目指す少年時代から始まり、やがてさいとう・たかを(『ゴルゴ13』)らと劇画工房を結成して貸本漫画界を席巻していく様が描かれる。
手塚治虫やトキワ荘のメンバーたちが作りあげた“まんが”が表であれば、シリアスなストーリーと写実的なタッチで勝負した“劇画”は裏の存在。子どもたちの人気者として華やかに持ち上げられることはなかったが、流れるような動きのリアルな表現で日本のマンガ界に革命を起こした劇画のパイオニアの生き様を、胸に焼き付けてほしい。
集英社
2010/01/20 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
実写ドラマに映画、アニメと、メディア化がことごとく大ヒットしたので有名な『ごくせん』。
現在も「アシガール」「高台家の一族」で大ヒットを飛ばしている森本梢子先生の大ヒット作です。
最近の2作を楽しんだら是非こちらも読んでください。
多種多様な生徒たちでひしめく高校で教師をつとめる地味メガネヒロインの山口久美子...、通称ヤンクミは、実は裏社会組織の孫娘!という設定がキモ。
普段はひ弱そうにみえるヤンクミがここぞという時に放つ裏社会の人間らしい言葉と行動力が面白くて、読めばかなりスカッとします。
登場人物は個性的と言うか、ちょっとどーかしている人が多いのはご愛敬。 裏社会×学校という組み合わせのシュールさが引き立つキャラばっかりなのが上手い!
そんな面白キャラ(ヒロイン含む)の中にまるで掃き溜めに鶴のようにイケメンを複数放り込み、これがまたどのキャラも相当イイ男なのがこのお話の中毒性の由来かと。
普段はお腹の底から大笑いさせてくれて、ときどき入る感動的なストーリーに涙! そんなギャップも楽しめます。
もはや森本先生に死角(はずれ)無し!!!
集英社
2022/01/19 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
時代的には束の間の平和を享受している現代社会において、今やサバイバルも様変わりした。
ネット社会での対応を間違えると社会的に抹殺されるからだ。
新時代のダークヒーローと命名されている本作の主人公は表紙の通りの美少女。
えげつなさが話題になりやすいネット住民の生態(のある一面)を武器に、善人ツラした悪人を炎上に持ち込んで社会的に懲しめる。この時代ながらのヒーローの活躍譚。
キモなのは「依頼主が正しいとは限らない」点に最初から気がつく洞察力が主人公アコにある点。
勧善懲悪やるだけあって全方位的に慎重なのが救い。
読めば怖いネタばかり。 あくどいキャラも怖いけどそれを追い詰めるアコの特定炎上がが本当に怖い。
「ネット上に無い情報は価値がない」とまでささやかれる時代。
サバイバルの定義は様変わりして、かなりのビジネスがネットと無縁では居られなくなった今、迂闊な発言は本当に致命的になる時代になった。
良い人も悪い人もいるし、一人の人間に中に良い面も悪い面もあるのが私たちだから、この手の勧善懲悪は本当に気をつけたい。
本書を読んでネットのヤバさを叩き込むべし。
綺麗に3巻で終わった点も高評価。
作者の佐倉えび先生はセンスがあると思われる。
次も楽しみです。
講談社
2012/11/12 新巻発売
おんな盛りで巨乳な後妻が……ねらわれるっ!! 爆笑・かつてないオトナの萌(も)えマンガ! ――男くさ~い4世代同居の吉田家に、むちむちボインで不機嫌ぎみな30歳・多香子(たかこ)が嫁(や)ってきた! ザ・思春期な中2の息子&9歳も年上の亭主&定年過ぎのヒマな義父&ボケたふりしてセクハラしまくる究極ジジイが……ぱつぱつの太ももにっ、マシュマロみたいな二の腕にっ――あのテこのテで接近しまくる(!?)キュートでゆかいなファミリー・アフェア!(アマゾンより引用-リンクは表紙画像から)
白泉社
2021/09/29 新巻発売
その少年は、幼い頃すべてを失った。夢も家族も居場所も──。この物語は、そんな少年がすべてを取り戻すストーリー。その少年の職業は──やさしさ溢れるラブストーリー。(アマゾンより引用-リンクは表紙画像から)
☆⌒(*^-゚)b-yo
小学館
2022/04/12 新巻発売
「マンガ」は、漫画家だけのものじゃない。編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員…。数えきれないマンガの裏方たちのリレーで、読者の手に届くもの。そう、裏方の熱き想いがあるからこそ「マンガは売れる」んです!マンガに関わる一人ひとりの人間ドラマをぐいっと描く本作、全ての仕事人へのエール漫画です!!!(アマゾンより引用-リンクは表紙画像から)
秋田書店
2022/04/07 新巻発売
ママチャリで激坂を登り、秋葉原通い、往復90km!! アニメにゲーム、ガシャポンフィギュアを愛する高校生・小野田坂道、驚異の激コギ!! ワクワクの本格高校自転車ロードレース巨編!!(アマゾンより引用-リンクは表紙画像から)
R子 f^_^
秋田書店
2018/12/14 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
元夜のお風呂嬢の“ちひろ”を主軸にした群像劇。ちひろの現役時代を描いた『ちひろ』の続編であるが、本作から読み進めても無問題だ。海辺の小さな弁当屋「のこのこ」で働くちひろは町の人気者。老若男女問わず、なぜか彼女のもとには様々な悩みを抱えた人たちがやってくる。とはいえ、ちひろが真剣に彼らの人生相談に乗るのかといえば、答えはノーである。
ちひろの本名は古澤綾。しかし彼女はあえて“ちひろ”という名前で店に出ている。この名前夜のお風呂嬢時代の源氏名なのだ。夜のお風呂天国日本において「夜のお風呂嬢嬢」などそれこそ履いて捨てるほどいるわけだが、いくらなんでも夜職の源氏名を昼職でも使う女性は存在しないだろう。
そこは多分に漫画的だが、あえて丸出しにすることで人間たちの反応を楽しむ、ちょっと意地悪なヒロイン像がとてもチャーミング。そう、夜のお風呂嬢の仕事を経験してきたからといって、彼女が特別な悟りを開いたわけではないのだ。
ホームレスの世話をしたり、いたずらっ子の小学生を母性で包んだりする一方、彼女にマウントをとってくる若い女性をギャフンといわせたりもする(その後は自己嫌悪に浸ったりもする)。そんな人間味あふれる彼女に会ってみたい。話してみたいと読者は強く思うのだ。あゝ、「のこのこ」が近くあったら毎日通うのになぁ。
集英社
2022/02/18 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
舞台は北海道最大の歓楽街・すすきの……から2.5㎞ほど離れた北24条に人知れず鎮座する場末のスナック、その名も「バス江」。うっかり扉を開けると、そこには白髪をリーゼントでまとめた老婆と、今時珍しいバブリーな髪型の美女が待ち受ける。2人の名はバス江ママと明美さん。珍妙極まりない常連たちの下ネタや愚痴や人生相談を、常人のナナメ上をいく猛毒ツッコミで切り返していく。
一度でも会話の急流に飲み込まれたら、あなたも「バス江」の常連と化すことは不可避。快テンポかつ怪テンポで繰り出される機関銃のようなトークバトルは、ドラッグのごとき中毒成分を持っている。バカバカしさ満点のギャグ漫画ではあるが、スナック感もボトムにどっしり座っているのがキモ。とにかく今夜は焼酎の水割りを片手に笑いたい気分。そんな殿方&淑女は黙って「バス江」を訪れるべし!
集英社
2022/02/18 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
昭和の終わりから平成初頭にかけて勃発した競馬ブームの立役者、オグリキャップ。
笠松競馬場から中央競馬に乗り込み、GⅠ4勝をあげる前代未聞のストーリーは、日本中を熱狂させた。
あれから30年以上の月日が流れたが、令和に突入した今、「ウマ娘 プリティーダービー」を通して現役時代を知らない若いファンにもその名が浸透。
そのオグリキャップをヒロインにすえたウマ娘の物語である。
プリティーダービーでは大食いのネタウマっぽい扱いだが、本作はオグリの出世物語を(フィクション仕立てではあるが)きっちり踏襲。
中央競馬のファンからは見向きもされなかった岐阜県のちっぽけな競馬場から希代のスーパースターが誕生するシンデレラストーリーが熱く描かれる。
走ることが大好きだけど、その他のことはどうでもいい大雑把な性格。ズタボロの靴でレースに出走して出遅れたり、ウイニングライブでカサマツ音頭を踊ったりとド天然ぶりを発揮するオグリが最高にキュートだ。
祥伝社
2013/11/08 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
これは不倫漫画なのかそうじゃないのかの論争があったとか、なかったとか・・・?
そもそも不倫とは?
1.旦那(夫)がいるのに他の男と恋に堕ちるのが不倫。
2.旦那(夫)が見ている目の前で愛を告白する。これは不倫の始まり?
3.でも旦那が傍にいることに気づけないら、それはどうなのだろう?
そして旦那がもう死んでいて幽霊なら・・・。
●人を愛する気持ちのアプローチは人それぞれ。なかなかうまく伝えることができないのが現実。
自分の気持ちを言葉にできるならそれは大変幸せなこと。
もし、肉体が無かったら、もう感情表現そのものできないのです。
●改めて、大切な人に気持ちを伝えたいと思わせてくれる。
やっぱり相手が生きているうちにしっかり伝えようと決意しちゃいます。
●とても綺麗な終わり方だった。三人三様の想いが生まれ、別な形になって消えていく、本当に綺麗なストーリーです。いいな愛されるって。
もし自分が旦那(幽霊)だったら・・・、素直に一旦(三回くらいまでかな)は邪魔することにします。(決めました!)
“目つきの悪い花屋のバイト青年・葉月(はづき)が一途に恋するのは、店長の六花(ろっか)。しかし六花の部屋には、彼女を愛してやまない男の霊がいた。その幽霊・島尾(しまお)の正体は六花の亡き夫で--。低温一途青年×さっぱり未亡人×草食系執着霊の三者が紡ぐ純情三角関係。(アマゾンより引用-リンクは表紙画像から)”
小学館
2021/11/10 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
とある地方・角島の新たな支店を任された独身女子・小松薫。そこは高校時代まで過ごした自分の地元だ。上京生活はかつて夢描いた未来とは違い、仕事も恋もどこか上手くいかない日々。
故郷にて再び会えるようになった3人の高校の同級生の仲間、大浦修子、黒岩富子、中松香織らも会って話せば昔のとおりだが、実はそれぞれ人生の転機を迎えて大きく変化していた。
英語教師の修子はカメラマンの妻帯者と不倫中。OLの富子はバツイチになり積極的な婚活をするが上手くいかず。見合い結婚をし専業主婦で2児の母である香織はつつがない毎日を過ごしていたが、夫の秘密発覚後、愛を求めて一番嫌っていた不倫へ・・・。
「愛されること」この言葉の意味の受け取り方は十人十色。そんないろんな愛されることの大切さを様々な男女の登場人物達を通して描いてくれます。
人はいくつになっても、仕事が出来ても、誰かに愛され、大切にされたいということがしみじみとわかります。
タイトルの「初恋の世界」の意味をいろいろ考えさせてくれます。
いい作品です。
小学館
2018/06/12 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
突然地球を襲撃してきた異星人。廃墟と化す地上。
そんな未知の異星人との戦いで欠損する地球側の戦士達の手足。
その欠損をすばやく修復するのが敵方・異星人ゼリーの人体への移植。
しかし、副作用は精神汚染=心変わり。
その「心変わり」の副作用で無害の追っかけ的立場から美人で優秀な奥さんから憧れの境・先輩を奪ったかのん。でもその不倫関係はつかの間。また「心変わり」によっていつまで自分を好きでい続けてくれるかもわからないけれど、境とわずかな時間でも一緒にいたいかのん。
イケナイとわかっていても先輩との不倫の関係に迷いながらも境のそばにいてしまうかのん。
かのんのせつない想いとは別に異星人に対する地球側の状況も変わり刻々と運命の日が・・・。
ほのぼの不倫とシビアなSFが同居し、ドロドロ恋愛とラブコメっぽさが同居するちょっとこれまでにない作品。
シビアなSF展開を絡めテンポ良く描かれていく本作、不倫漫画としてまたせつないつかの間の恋愛ストーリーとしても十分楽しめる異色の名作。
文藝春秋
2022/03/10 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
不倫ブログや芸能人の不倫記事を野次馬的に眺めるという行為はエンターテインメントとして完全に定着した。もちろん、それは漫画界にも波及。いまや不倫モノはひとつのジャンルとして成熟期を迎えている。
嘘をついたり、逃げ出したり、激高したり、体面を気にしたり…大人の男女がドタバタしている様は滑稽で飽きないものね(ゲスな考えで申し訳ない)。ふせでぃのゆるふわタッチな表紙は一見普通のラブストーリーと勘違いされそうだが、本作は主要人物4人が全員不倫中。しかもそれぞれの関係が複雑に絡み合うという地獄絵図である。
ヒロインは29歳のリコ。派遣先の会社から契約終了を言い渡されて絶望中だ。同棲中の彼氏・タクマに貢いでいるため、貯金はたったの8万円しかない。いい年をして夢見がちなバンドマンのタクマはリコのヒモ同然なのだ。そんなとき、ひょんなことから知り合ったのがイケメンのサラリーマン・ツトム。流されるままにワンナイトラブに至るのだが、彼の正体は品性下劣な最低野郎だった。
アラサーは「人生、このままでいいのか?」と自問自答するお年頃。そんなときに甘言に乗ってふらふらとアッチコッチ行ってしまうのは当然至極である。「全員酷い!」という声もネット上では散見されるが、「本物の悪党」は1人だけ。30歳目前のリコは本当の意味で大人になれるのか、サスペンスな展開も含めて見守りたい。
フクモトプロ/highstone, Inc.
2014/12/15 新巻発売
昭和33年、高度成長期真っ只中の時代。雨降りしきるある夜、とある雀荘でヤクザ相手に命がけの勝負を挑んでいた南郷は徐々に窮地に追い込まれていた。その時突然、ずぶぬれになった一人の少年が雀荘に入ってきた。少年にただならぬ気配を感じた南郷は、麻雀牌すら握ったことのない彼に代打ちをさせる。このときから伝説が始まった。少年の名は赤木しげる。のちに「神域の男」と呼ばれる男である。(アマゾンより引用-リンクは表紙画像から)
双葉社
2020/09/12 新巻発売
ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感
雀聖・阿佐田哲也の代表作『麻雀放浪記』は、1969年より「週刊大衆」にて連載がスタート。
焼け跡の残る戦後の東京を舞台に、まだ10代の“坊や哲”が熱い勝負を繰り広げる様が大受けし、空前の麻雀ブームを巻き起こした。
1984年には和田誠がメガホンを執り、弱冠23歳の真田広之が主演に抜擢されて映画化し、高い評価を獲得。
さらに2019年には原作の大ファンを公言する斎藤工の主演でオリジナルの続編『麻雀放浪記2020』(白石和彌監督)が公開。
時代を超えて新しいファンを生みだし続けている。
そんな傑作が麻雀劇画の第一人者・嶺岸信明のコミカライズされたのだから面白くないわけがない。
退役軍人の子として生まれ、苦労を知らずに育った哲也。
しかし、敗戦で父の軍人恩給が消滅したことで生活が一変してしまう。
勤労動員でギャンブルにズブズブと足を踏み入れた哲也は、家計を支えるために鉄火場へ。
ドサ健を筆頭にさまざまな博奕打ちと出会いを経て、勝負師として成長していく“坊や哲”。
麻雀を知らなくても面白い、知っていれば激烈に面白い、そんな不朽の名作をぜひご堪能いただきたい。
小学館
2014/07/30 新巻発売
お気楽、快楽?気がついたら、風俗ビルに住んでいた…。主人公の菅原実くんは、フツーの大学生。ヒロイン・聖莉亜さんは、年齢不詳の超美人な売れっ子風俗嬢。人気風俗店「よとぎ館」を舞台に繰り広げられる、以外にも純情なラブコメディー。青春って、Hと挫折と優柔不断でできている!(アマゾンより引用-リンクは表紙画像から)
new
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大人漫画の楽しさに気づく人が増えてきた。「努力・根性・友情」も好きだけれども、もっと人生のリアルを描いてくる大人におすすめの名作漫画がたくさんある。あまり派手な宣伝をしないのが多く、映像化もされていたりする。『ふれなばおちん』-小田ゆうあ、『娚の一生』-西炯子、『雪女と蟹を食う』-Gino0808、『ノー・ガンズ・ライフ』-カラスマタスク、『Love,Hate,Love.』-ヤマシタトモコ、『BADON』-オノ・ナツメ、『エンバンメイズ』-田中一行、『中間管理録トネガワ』-萩原天晴,福本伸行,橋本智広,三好智樹、『刑事ゆがみ』-井浦秀夫、『らーめん再遊記』-久部緑郎,河合単,石神秀幸等、大人の男女の生き様がなかなか心にズシンとくる。何でそんな生き方をしたの?と疑問と切なさがあったり、そうそう大人ってそうなんだよという共感が生まれたり、なかなか面白さが異なるうれしさがあるそんな33作品を紹介!
ヤバイ漫画特集。『ブルータル 殺人警察官の告白』-古賀慶,伊澤了、『ウイナーズサークルへようこそ』-甲斐谷忍、『みどりのマキバオー』-つの丸、『ウマ娘 シンデレラグレイ』-久住太陽,杉浦理史,伊藤隼之介(原作:Cygames)、『園田の歌』-渡邊ダイスケ,永田諒、『優駿の門』-やまさき拓味、『不倫。ダメ、絶対!』-カラスヤサトシ、『あなたのことはそれほど』-いくえみ綾、『ホリデイラブ ~夫婦間恋愛~』-こやまゆかり,草壁エリザ、『サイコの世界』-井龍一,大羽隆廣など、全25のおすすめ作品を紹介。
大人こそ学べる漫画特集。『3月のライオン』-羽海野チカ、『昭和元禄落語心中』-雲田はるこ、『荷風になりたい~不良老人指南~』-倉科遼,ケン月影、『永世乙女の戦い方』-くずしろ、『“文学少女”と死にたがりの道化』-野村美月 ファミ通文庫(株式会社KADOKAWA エンターブレイン刊),竹岡美穂,高坂りと、『リボーンの棋士』-鍋倉夫、『花よりも花の如く』-成田美名子、『龍と苺』-柳本光晴、『長閑の庭』-アキヤマ香、『すくってごらん』-大谷紀子など、全38のおすすめ作品を紹介。
ビジネス漫画特集。『ザ・ファブル』-南勝久、『ライジングサン』-藤原さとし、『九条の大罪』-真鍋昌平、『弁護士のくず』-井浦秀夫、『あおざくら 防衛大学校物語』-二階堂ヒカル、『ゴミ清掃員の日常 ミライ編 あたらしい時代で、しあわせになるゴミ出し術』-滝沢友紀,滝沢秀一、『最強の弁護士』-高橋のぼる,久慈希跡,プロジェクトB、『人事のカラスは手に負えない』-大谷紀子、『そこをなんとか』-麻生みこと、『うちの会社ブラック企業ですかね?』-ichida,恵比須半蔵など、全38のおすすめ作品を紹介。
大人が唸る設定が上手い漫画特集。『ごくせん』-森本梢子、『炎上ヒーローアコ』-佐倉えび、『トライガン』-内藤泰弘、『シティーハンター』-北条司、『ゴールデンカムイ』-野田サトル、『3月のライオン』-羽海野チカ、『HELLSING』-平野耕太、『ジャガーン』-金城宗幸,にしだけんすけ、『北斗の拳【究極版】』-原 哲夫,武論尊、『DEAD Tube ~デッドチューブ~』-北河トウタ,山口ミコトなど、全30のおすすめ作品を紹介。
アーティスト漫画を探すならこの大人気のアーティスト漫画特集。『推しが武道館いってくれたら死ぬ』-平尾アウリ、『ゴールデンラズベリー』-持田あき、『あしたのジョーに憧れて』-川三番地、『マンガ家再入門』-中川いさみ、『燃えよペン』-島本和彦、『声優ラジオのウラオモテ』-巻本 梅実,二月 公,さばみぞれ、『【推しの子】』-赤坂アカ,横槍メンゴ、『55歳の地図』-黒咲一人、『そんな声だしちゃイヤ!』-しがの夷織、『ガーリッシュ ナンバー』-堂本 裕貴,渡航,QP:flapper(小原トメ太/さくら小春)他15作品を紹介!
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