『みどりの星と屑』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

気鋭の新人・瀬崎ナギサのデビューコミックスは、美術系大学のマンガ専攻に通う若者たちの群像劇。

主軸となるのが黒髪メガネのマジメ女子、翠（みどり）だ。
彼女は高校時代からの親友・姫子と一緒に日々切磋琢磨している。姫子に漫画を教えたのは翠であり、今でも師匠的存在。
学校の課題マンガでも常に翠のほうが高評を得ている。

そんなある日、姫子がSNSにアップしたマンガが盛大にバズった。
その結果、有名出版社からWEB連載の依頼が舞い込む僥倖が。
自分にはまだ縁のないプロデビューの壁を一足飛びに超えていった親友に対して、祝福の想いともにドス黒い気持ちが浮上する。

トキワ荘も遠くになりにけり。今や漫画も学校で習う時代だ。
当然ながらそこには優劣がつけられるが、それはあくまで校内での話。
どんなに講師からクソミソに言われても、商業デビューを果たして読者から支持を受ければ、漫画家として成功だ。

「姫子を漫画の道へ誘ったのは私」という自負から、どこかで彼女を見下していたことに気づいた翠は予想以上のショックを受け、思いもよらぬ行動に出てしまう。

まだ何者にもなれていない若者たちがぶつけあう嫉妬、羨望、憧憬、羞恥といった感情を徹底的に炙り出す。
青くて熱い物語だ。