『わたしを支えるもの すーちゃんの人生』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

中年期にさしかかった独身女性が抱える“切なさ”に向き合うシリーズの第5弾。
ついに40歳を迎えた“すーちゃん”こと森本好子（もりもと・よしこ）。現在は保育園で調理師として働いており、子どもたちを相手に楽しく毎日をすごしている。
それでも相変わらず彼氏はおらず……。

この年になると新しい友人が出来ることも稀。時々ご飯に行く友人は、相変わらず年上の独身仲間・さわ子さんくらいだ。

自分の年齢が上がるにつれて周囲の年齢だって上がっていくのは当然至極。体調不良を訴える人を間近にするたびに、ぼんやりとしたモヤがすーちゃんの心の中を覆い始める。

不惑になっても通常営業の、すーちゃん。大きなケガや病気をしたわけでもないし、借金に追われているわけではない。
それでも過不足ないワンルームのなかで独り言を連発しながら人生が終わっていいものか……という気持ちに。

そんなある日、かつていい雰囲気になったこともある書店員の土田くんとバッタリ再会。
そのままビールを飲んで、後日、食事に誘われるという展開に、すーちゃんは久しぶりにトキメキを覚える。
しかし、彼の指には結婚指輪が輝いているのであった。

ネタバレになるので何があったのかは書かないが、タイトルにもあるように40歳を迎えた彼女を“支えるもの”に焦点が当たる。

「自分探しってなんだよ。世界にたったひとりしかいない自分を自分が探してどうするの？」
「あたしはあたし、他の誰でもない」。

すーちゃんシリーズのテーマがくっきりと浮き彫りになる、素晴らしい一冊だ。