『東京湾岸バレエ団☆』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

タイトルに興味を惹かれて１巻を購入したのが１年ちょい前。そのときはコンテンポラリーダンスというなじみの薄い素材であることと、朔田浩美さん独特のスピード感についていけず、１回流し読んだだけで放置しておりました。で、このたび２巻が発売されたということで、１巻から再読したワケであります。するとどうでしょう、わかりにくかったディテールのひとつひとつがすんなりと理解できるようになり、スピード感にもあわせられるではないですか。
欧米で活躍した日本人のプリンシパルダンサーと天才的振付師が手を組み、若いダンサーたちを巻き込みながら自分のバレエカンパニーを育ててゆくドラマです。単に踊りを極める、カンパニーを大きくするというのではなく、コンテンポラリーダンスが内包する世界観やクラシックやモダンバレエにはない自由さを表現することに主眼が置かれてます。
そうした作品ですからダンサーとしての身体つきや動きの表現での説得力がなによりも重要なのは言うまでもありません。もちろん朔田さんの絵は両方ともじゅうぶんに満たしており、コマ運びのテンポの早さと相まって、見事なダンス空間を誌面に作り出しています。２巻の最後には「テニミュ」ならぬ「ゴルにい」なるミュージカルの場面も登場し、なんとも賑やか。『テレプシコーラ』や『まいあ』など大御所たちが描くバレエマンガとは大きく異なる、現代的なダンス世界がここにあります。