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『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い?良い点は?関連作もまとめて紹介!

漫画『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』の面白さをみんなのスタンプ評価点数とおすすめ感想レビュー、良い点・悪い点の点数評価からtwitterでの口コミや類似漫画、関連作品を徹底紹介。  うみべのストーブ 大白小蟹短編集は「おすすめ漫画」と「1巻完結の名作漫画」と「トーチコミックス」特集にランクインしています。 さらに各社の無料試し読みサービス比較表付き。そしてこの漫画へのあなたの評価を30秒で簡単にSNSシェアできる!【感想スタンプ点数評価】ができます。 この作品を面白いと思う人のために最新刊~完結情報までしっかり紹介♪ 動画配信(動画配信各社の比較付き)・予告動画・声優・出演者・監督の関連情報も随時紹介! コミックス最新刊は『うみべのストーブ 大白小蟹短編集 (トーチコミックス) 』です。

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『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』

更新日:2024年03月28日
第1巻公開日:2022年11月20日

作品紹介

俵 万智
「小蟹さんの澄んだ心の目。そのまなざしを借りて私たちは、忘れそうなほど小さくて、でもとても大切な何かを見つめなおす。たしかに降ってきたけれど、とっておけない雪のように。」

雪のように静か。冬の朝のように新鮮。
自分の気持ちに触れることができるのは、こんな時かもしれない。

[収録作品]
●「うみべのストーブ」
運命のように出会ったえっちゃんとスミオにも、ある日訪れた別れ。傷心のスミオを海に連れ出したのは、隣で彼を見守り続けていたストーブだった…。
「ふたりが…お互いに、好きだったこと 私はちゃんと覚えてる 何度だって思い出すよ」
連載時のカラーを再現し、2色刷で収録。

●「雪子の夏」
トラックドライバーの千夏が雪の日に出会った、雪女の雪子。夏のあいだは消えてしまうという雪子に夏を見せてあげたい。忘れられない夏の物語。
「誰もあたしのことを 思い出してくれなくなったら こんなぼんやりしたまま 永遠に消えちゃうの?」

●「きみが透明になる前に」
ある日事故で透明になってしまった夫。彼の姿が見えないことにほっとしている自分はもう、彼を愛していないのだろうか…。見えないものに触れる、夫婦の絆のかたち。
「ねえ泉 ありがとう 僕を見つけてくれて」

●「雪を抱く」
パートナーとの間の妊娠を知り、複雑な気持ちの若葉。大雪で家に帰れなくなったある日、偶然出会ったコウコと朝までの時間を過ごす。女性の身体をめぐる物語。
「わたしの身体が わたしひとりだけのものだったことなど 一度でもあっただろうか」

●「海の底から」
仕事で忙しい毎日を送る深谷桃は、かつてのように小説を書くことができない。いまの自分はまるで海の底から上を見上げているようで…。創作に向き合うことができないでいる生活者の苦悩の物語。
「悔しい 書かなくても幸せでいられるのが」

●「雪の街」
はなれていた親友の突然の死をきっかけに訪れた、昔住んでいた町。思い出のファミレスで出会った森田という男と、死んでしまったスーちゃんのことを思い出しながら、雪道を歩いていく。
夜の黒さと雪の白さは、彼らの弔いを静かに描き出す。
「鈴木さんがどこかで 元気でいてくれるといいなって ずっと思ってました」

●「たいせつなしごと」
単調な仕事に明け暮れる毎日のなかで、いつのまにか自分の心は動かなくなっていた。いつかどこかのゲートが開いて、別の世界へ行けたなら…。暮らしのなかにある光を見つける小さな物語。

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うみべのストーブ 大白小蟹短編集のオススメ感想レビュー

珠玉の7偏を収録した瑞々しいデビュー短編集

うみべのストーブ 大白小蟹短編集 (トーチコミックス)

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

大白小蟹(おおしろ・こがに)のデビューコミックス。生活に根差した、地に足のついた7つの短編が収録されている。
ファンタジー要素はあるが、どの作品も大きな事件が起こるわけではない。ごく普通の生活のなかで気づかされること、ふとした瞬間の気持ち、本当に大切なものが離れていくときの喪失感……。
そうしたものを抽出して、小さな物語に落とし込んでいる。

表題作「うみべのストーブ」は、同棲していた彼女の“えっちゃん”が出て行ってしまい、途方に暮れている青年・スミオが主人公。
傷心のあまりズタボロになってしまった彼に「海へ行こう」と語りかけたのは、ずっと2人のことを見守り続けていた電気ストーブだった。
その他にも雪女や透明人間が登場するエピソードが含まれるが、決して人外系の作品ではなく、スポットが当たっているのは人間そのもの。

特に秀逸なのが、妊娠中の女性が大雪で家に帰れなくなった夜に偶然出会った女性と朝まで過ごす「雪を抱く」。

“自分ひとりの身体でなはない”などというベタな忠告の意味を問われるかようでハッとさせられる。

デリケートな問題を、こんなにも温かく楽しいエピソードでまとめあげる技量に感服しきり。
挿入される短歌の数々も瑞々しく、心に染み入ります。

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