『夫がいても誰かを好きになっていいですか?』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

ゆるふわタッチのキャラクターだが、描かれているのはズバリ“不倫”。ただしドロドロとした愛憎劇ではない。
見知らぬ土地（大阪）へやってきた若妻が、パート先の年下男子と恋に落ちるという純愛ストーリーである。

「既婚者が若い男に夢中になるのがなんで純愛なんだ！」と憤る方々はまだお若いと見た。
年齢を重ねたアダルトなアナタならおわかりいただけるだろう。
結婚していたって人を好きになることはある。その先の展開は流れ次第だ。片思いのまま終わるかもしれないしね。

夫の転勤のため東京から大阪へ引っ越してきた専業主婦のハルは、新たな土地で人間関係を築くために書店でパートを始める。
そこで出会ったのがツンデレメガネの大学院生・後藤。日々顔を合わせるうちに、打ち解けた2人。既婚者であることを打ち明けてからも逢瀬は続き……。とまぁ、よくある身近な相手との不倫である。
ポイントとなるのはハルがまだ28歳と若く、年下男子といっても後藤は24歳である点。48歳の主婦が24歳の学生に手を出すような淫靡な関係ではないのだ。2人ともまだまだ初々しいいイチャコラを楽しみたいお年頃というだけ。

セックスレスでモラハラ気味の夫に愛想をつかし、学生時代に戻ったかのようなキャッキャうふふに燃え上がるのも仕方がない。

面白いのはプチインテリの後藤が、恋愛を生理現象に見立てて、気持ちを必死に抑えようとすること。
もちろん、そんなものは簡単に崩壊しますけどね。
もちろん葛藤は描かれるが、ハルの暴走が止まる気配は微塵も感じない。お相手の後藤も据え膳を拒否することなどない。
入口は純愛でも出口は「今が楽しければいい」という打算の関係。2人とも本気ではない。
そこがすごくリアルだ。
突然感のあるオチは賛否両論があると思うが、まぁ、こんなものはオマケみたいなものですよ。