『森薫拾遺集』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

英国メイド物語の「エマ」が生まれる前の森薫はこんな話を描いていた。

眼鏡好きは変わらず、でも女性の胸や腰を強調した輪郭線をたっぷりと堪能できる。
和室畳に水着を着た奥ゆかしげな美女とか、畳の上の裸足の足指の描き方とか。
バニーガールの胸と腰や、野鳥観察のジーンズ短パンの腰つきなどは、青年誌のように極端に誇張はされていないけど、むちっと張っていて、きれいな線。
これは少女漫画では熟成されないラインかな。
といってもミケランジェロのマニエリスムの延長線上にあるような少年格闘漫画とは全く別の、さらりとした線で肉感的でありながらエロくなくて、なめらかできれいな丸み。
この線についつい見とれてしまう。

「エマ」の階段を駆け下りるメイドのスカートの裾の翻りとか、「乙嫁語り」の騎馬戦シーンとか、本当に画力がハンパない森薫。

巻末のコルセット紹介は女性の肉体美、19世紀にはやった美人などが知れて興味深い。
同じく巻末の「クリスティーで読む英国使用人事情」をうっかり読んでしまうと、何度読んでも面白いアガサ・クリスティーを読破したくなるので注意の事。
他に何もできなくなりますから。