『うせもの宿』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

失くしたもの、見つけたい大切なものは何ですか？　　迷い込むように古宿「うせもの宿」に来たお客さんは、探してたものが見つかるという不思議体験をします。

宿に来るお客さんは老若男女問わず。 見つけた時のそれぞれの反応と結末に寂しさや切なさ感じずにはいられません。

そう、「うせもの宿」は死者のために、最期に持っていきたいものを見つけてくれる宿なのです。

ファンタジーと呼ぶにはリアルで人間くさすぎる。　かと言って霊界モノのようなオドロオドロしさとも無縁。
日常にありえるかもしれない秘められた謎感覚がこの作品の魅力です。

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

このお話を読んだとき、自然と涙があふれてきました。だって、後悔しない人生を歩んできた人なんて誰もいないです。
後悔とともに無くしてしまった物や気持ち、どのお話にも出てきますが、共感できるものばかりです。

話数を重ねるにつれて「うせもの宿」がどういった宿なのかが明らかになってきます。
登場人物の関係もあやふやなものから段々はっきりしたものに変わってきます。

このあたりは萩尾望都さんの「ポーの一族」を彷彿とさせますね。もちろん、お話の内容は全く違いますが。

一話完結が多いので、一話だけ取り出して読んでもいいですし、通して読めばなおよし、の作品です。

いろいろな事情を持った登場人物たちがこの宿を訪れますが、宿に入った時と出ていく時では全く違った表情を見せるのです。
もしかしたら、私もいつかこの宿を訪れることがあるのかもしれません。
その時はやっぱりこんな風に癒やされて表情を変えながら旅立っていくのでしょう。

そんなことを考えさせられたお話です。