『ストレンジ』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

「忘れられない」をテーマにいろいろなキャラクターが主人公になるオムニバス形式の一冊です。
基本的に男×男（男6組12人）6つの出会いのお話で、恋愛よりもメインは男同士の「友情以上の共鳴し合う何か」を伝えてくれます。

でも、どのキャラクターも個性豊かで可愛らしく、トラブルがありながらも頑張る姿と人間愛に満ちたストーリー展開がとても良いのです。

その中の一つ、「ブライト」に登場する娘の結婚に落ち込んでいるハワイ出張中のお父さんユキハルとハワイを観光案内するリノのストーリーと、「フレンド」に登場する今まで友だちがいなかった大滝が図書館の本を通じて荒くれ者の上田野と仲良くなっていくストーリー、このプロセス、心情の変化の描き方が上手い。

「ブライト」では、フラダンスを踊ったり、海を見たりしてユキハルがどんどん外に目を向けていく様子に嬉しくなります。

「フレンド」の大滝が今まで人に話す言葉を意識しなかったけれど、人のことを考えて言葉に出すなど成長していく様子がとても微笑ましいです。

上野田も大滝と出会ってから少しずつ穏やかになっていったし、生きていく中で誰と出会えるかが本当に大事だなと思わせてくれます。

ただの友達ではなく、もう少し特別な感じ。心が共鳴し合うそんな関係をベースにした6つのストーリーがどれも切り口が異なりたいへん味わい深いのです。

共鳴しあう友達の定義は同性、異性、外国人、年齢差などまったく関係なく、「やぁ、どうだい」みたいな感じで、自然な関係がいい。

いくつになってもそんな友達に出会えるように、気づかえる自分、素の自分を出せるようにちょっと頑張ろうと思えます。

良い作品です。