『キズアトから甘くなれ』感想スタンプ・評価点数でどこが面白い？良い点は？関連作もまとめて紹介！

ストーリー性
キャラクター性
画力
読後感

主人公の桃桜は、体に残る手術跡のせいで心を閉ざし、孤独な学生生活を送ってきました。
ところが、転校生である架月に裸を見られてしまい、と言うところから物語は始まります。

手術跡のために心を閉ざしてしまったと言う桃桜のキャラクターは、繊細な思春期の心を巧みに表現していると言えます。
内へ、内へと、誰にもその心を覗かせることすらさせないヒロインですから、これに対する架月のキャラクターも非常に強烈です。

『君に一目惚れした』と桃桜を口説き、勝手に抱きしめたり、キスをしようとしたり、と遠慮のかけらも感じさせないほどに、やりたい放題。

しかし、年齢不相応な色気、強引かつ一途過ぎるアプローチ、そしてどれだけ桃桜に拒絶されても諦めないその健気な架月の姿に、女性読者は心を奪われてしまうはずです。

久嘉さんの、可愛らしさと美しさがマッチした絵で、桃桜の心が、架月のそのアプローチによって心のかたくなに硬くなっていたところが少しずつ、少しずつほぐされていく様子も非常に丁寧に描かれていきます。

その微妙な変化と想いが通じる瞬間がとてもいいのです。
恋愛漫画の切なさを味わいたい人にもおすすめできる作品です。