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「黒執事 映画」漫画ファンのための正しい見方(試写会行ってきました!)

掲載日:2014.01.09

漫画ファンにはすこぶる警戒されしまった「黒執事 映画版」の試写会に行ってきました。


kuro_76_0070.JPGまずはトレーラー版の水嶋ヒロの「坊っちゃん?」と囁くボイスがあまりにも甘くてヤバかったので、「これは水嶋ヒロの美ボイスを耳元で聞き続ける2時間耐久レースになるのか!?」と覚悟したのですが。

確かに「水嶋ボイス」は心臓直撃でしたがそれだけじゃ無く、予想以上にアクションシーンが凄かったです。

まず水嶋ヒロのアクションの所作が凄く綺麗。

冒頭からピシッピシッと指の先まで「キメ」が行き届いた「黒執事セバスチャン」による1対多の一方的乱闘シーンを、それはそれは綺麗にガッツリ魅せてくれました。

そう言えばこの人!仮面ライダーだったよ!
しかも彼が主演した『仮面ライダーカブト(2006-2007)』って加速装置入ってるみたいなライダーだったよね!?

TV版「TIGER & BUNNY」(2011)の さとう監督がガッツリとコンテから監修したという、その成果なのか?
スローモーションと現実スピードを巧みに繋ぎ合わせて、燕尾服をひるがえすセバスチャンの華麗なアクションをこれでもか!これでもか!と見せてくれました。

しかも武器がテーブルナイフって所が原作リスペクトで嬉しい。

役者だけじゃなく、きっと照明とか、カメラワークとか、凄く計算しながら映像を作り上げていったに違いない。

全体を統括する大谷監督の他に、VFX専門の監督やアクション監督も立てた本作のこだわりが、しっかり映像に反映されていたと思います。

脚本も程よく練れていました。

そして水嶋ヒロ(セバスチャン)が仕える伯爵を剛力彩芽演じる 「男装の美少女」にした点は、これはもう「あの黒執事を実写映像化するなら、あなたなら誰を起用してどう創る?」という問いに対する、ギリギリの回答かと。

原作のシエルを演じられる子役は確かに難しいでしょう。
同時に「日本で、日本人で撮るなら原作の舞台設定は難しい」という判断も、絶対にその通りでしょう。
下手をすると笑っちゃうナンチャッテ映像になりかねない。

場所はどこかの国の近未来。女王は国外から指示を出して来る。

伯爵家の描写は頑張って英国風の庭や部屋でロケをしましたが、それ以外の部分では「英国風」を諦めるしか無かったと思われ。

これらの要素にガッツリとアレンジを加えているので、原作のファントムハイヴ主従の再現を期待してはダメ。

今回の映画の見所は、原作に惚れ込んだという水嶋ヒロと、それを支えた松橋真三プロデューサーや大谷健太郎監督が作り上げた新たなセバスチャンの活躍劇です。

もしも、もしもこのメンバーに原作の女性ファンの好みや傾向を熟知した方が加わっていれば、また違ったファントムハイヴ主従の有り様が見えたかもしれません。

この点に関しては、残念に思う原作ファンもいるだろうなと感じました。

そのかわり「豪華絢爛なブラックゴシック」の完成度は映像スタッフの執念を感じさせるものになっています。

特にVFX。

「優れたVFXはその自然さ故に目に留まらない」と言うそうですが、この映画は随所にその「優れた仕事」があったように思います。

ダークな場所での格闘シーンも、明るい場所での対決シーンも、どっちも見ごたえがありました。

「ドジっ子メイドのリン」役の山本美月のアクションもかなり凄かった。

数十人の武装した男たちに囲まれて次々と敵の銃を奪いながら絶望的な戦いを挑むシーンは、彼女のパワフルなアクションと絶妙なカメラワークも相まってストーリーを一気に最終場面に導く中盤最大の見せ場でした。

また前半パッとしない印象だった「伯爵の叔母」役の優香が、終盤とても美しかった。
この女性があまりにも綺麗だった点がストーリーに奥行きを与えたと思います。

そのまま彼女が体当たりVFXに挑戦したら「凄い女優!」として注目を集めたと思われますが、そこは美人女優さんに望んだら酷なんだろう。

どういう事かは見たら解るので劇場で確認していただければ。

原作ファンとしては心残りはあるけれど、最後まで見て「エンターテインメントとしてちゃんと満足した」という映画になっていました。

「独特な世界観を持ったアクション漫画を実写映像化する」という難しい命題に、日本の映像制作集団がどう挑んだか?その回答がエンターテインメントとしてきちんと示されている娯楽映画です。

kuro74_0210s.JPGそしてこれは、どこにも-----原作者も映画関係者も語っていない事ですが。

この映画を「もし原作のシエルが人間の寿命を全うしたとしたら-----そして残されたセバスチャンがその後のファントムハイブ家を見守り続けたとしたら------」

「原作から数百年後のセバスチャンのお話」として見るなら。

まだまだ原作は終わりそうに無いので、あり得るかどうか解らないけれど、
「そういうお話」として見ると、この映画はかなりクるものがあります。

原作ファンはそんな風に、見てみて下さい。

kuro38_0027s.JPG『黒執事』
2014年1月18日(土)新宿ピカデリーほか全国公開

■出演:水嶋ヒロ 剛力彩芽 優香 山本美月 大野拓朗 栗原類 海東健 ホラン千秋 丸山智己 
城田優 安田顕 橋本さとし 志垣太郎 伊武雅刀 岸谷五朗
■原作:枢やな(掲載 月刊「Gファンタジー」 スクウェア・エニックス刊)
■主題歌:ガブリエル・アプリン「Through the ages」(ワーナーミュージック・ジャパン)
■監督:大谷健太郎 さとうけいいち  ■脚本:黒岩勉
■製作:映画「黒執事」製作委員会 
■制作プロダクション:C&Iエンタテインメント 共同制作プロダクション:ロックワークス
■配給:ワーナー・ブラザース映画
■コピーライト:(c)2014 枢やな/スクウェアエニックス (c)2014 映画「黒執事」製作委員会
■公式サイト:kuroshitsuji-movie.jp ■Facebook : facebook.com/kuroshitsujimovie
■Twitter  : twitter.com/kuroshitsuji_m


【映画『黒執事』お問い合わせ先】共同PR(WEBメディア)肩谷・平野・辻 TEL:03-3571-5328
ドリーム・アーツ(紙・電波)甲木・曽根・齋藤・飯塚・佐原・八百板(やおいた) TEL:03-5969-8081
ワーナー・ブラザース映画マーケティング本部  TEL:03-5251-6431

【原作『黒執事』素材お問い合わせ先】  スクウェア・エニックス:出版営業部(難波)TEL:03-5292-8300

劇場版 黒執事大谷監督インタビュー「原作ファンの一人としてこの映画を撮りました」こちらから


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