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『東坡食譜』中華グルメ漫画から生きる工夫と毎日の大切さを知る

掲載日:2017.05.05

大河原遁と言えば長期連載「王様の仕立て屋」が有名で、現実世界でも迷える非オシャレ男に、ポイントを絞った的確なノウハウを与えてくれてます。 ありがたい漫画です。

王様の仕立て屋 その王様の仕立て屋は「フルオーダーの紳士服」というテーマがテーマなだけに、主人公の所に相談に来るクライアントは、何か具体的に差し迫った問題を抱えている事が多いもの。

彼らは一様に「これまでのやり方が通用しない」または「新しい何かを始めたい」と言った理由で「新しい服装」を必要としています。 そして新しいコミュニティに受け入れられようとか、前回の失敗を取り戻そうとか、何か新しいステージに相応しい自分を周囲に認めてもらうために、まず衣服を求めます。

仕立て屋の主人公は彼らに対して常にその服装で成功するように、外見で失敗しないで、その先の能力や功績や内面を見てもらうためのナイスな橋渡しをしてあげるわけです。

読んでいると「つまり文化ってこういうことなんだな」と毎回思わせてくれます。

一方、今回ご紹介するのは「王様の仕立て屋」の合間合間に書かれたという「東坡食譜(トーロンポー)」

東坡食譜 表紙から雰囲気たっぷりのこちらは古代中国が題材のグルメ漫画です。

主人公は宋代最高の詩人にして四大書家と呼ばれている蘇東坡。 文官である彼は、実は革命的な料理人でもあった!というお話です。

登場するメニューは今日でも普通に食べられ日本でも通用するものですが、本作の凄い点は料理について単に「美味しいかどうか?」以上に「美味しい料理には人々を救済し、力づけ、発展させる可能性がある」という事をとても明確に教えてくれるのです。

王様の仕立て屋が【衣】、こちらが【食】。
衣食足りて礼節を知るという言葉もありますが、なるほど服装とか、毎日の食事とか、そういう身近な要素が私たち人間を前に進ませる力があるんだ!と、読むととても納得させてくれるのです。

時代的にはキングダムの秦の時代のずっとずっと後で、三国志よりも更に後の宋の時代。
地方の片田舎で始まるシーンには周囲に人口密度が少ないないために「明日を生きるための何かが足りない」ということがよくわかるスタート。
中国も宋の時代になるとどこか知識先行の頭でっかちになって自分で自分の首を絞めている感じが伝わって来ます。

そして「衣食足りて」を実現するために必要なことは、単に豊かでお金持ちであることではなくて「工夫をすること」そして「諦めないこと」だと、本作は教えてくれるのです。

食材を工夫すること。工夫して美味しく食べること。私達の毎日を支えている大切な精神の根っこには、その工夫があることを教えてくれます。

今のこのグルメの時代、世界中の色々な場所にその風土に適した食材と調理法があり、私達は日本にいながら世界中の工夫された食材や調理法を頂く事ができます。

その多くはその地方で「医食同源」として尊ばれているもので、その人達の日常に溶け込んでいるメニューがたくさんあるのでしょう。

でもそれらのメニューの中にも、世界中の「蘇東坡」達がある時工夫して頑張ってあきらめないで調理法を見つけたものも、たくさんあるのかもしれません。

読んでいて、もしかしたら自分もどこかで「これが普通、常識、当たり前」の硬直が起きているのではないかと思わせてくれます。

知識ばかりでもダメ、知識がなくてもまたダメ、その時々を柔軟に生きることが自分を楽しく生かすことだということ楽しく教えてくれます。
読んでみて下さい。面白いです。

ちなみに本作「東坡食譜」を読了後、ついつい豚の角煮を頂いてしまいました。先生の教えに従ってお野菜もたっぷり添えました。美味しかったです。

ありがとうございます東坡先生!!(と大河原先生!)




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