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ホラー漫画を系譜から読む!米沢嘉博の『戦後怪奇マンガ史』が凄い!

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ホラー漫画読みたいですね! 面白いですもんね? 恐怖モノ漫画っていっぱいありますし、結構古くからあるような気がしますが、実際どうだったんでしょう?
という部分を故・米沢嘉博氏がガッツリと書き起こしてくれていた文章が、このたび1冊の本として鉄人社から刊行されました。

その名も『戦後怪奇マンガ史』

kaiki-yonezawa201607.png
個人的には米沢嘉博と言えば「コミケを作ってくれた人♪大感謝です!!」と思っています。 今日の日本の輸出産業の根幹の一部は、この人が居てくれなかったらここまでのレベルと規模にならなかった。
そして同時に「漫画って文化を文化としてちゃんと認識して大切にしようよ?」と様々な活動をしてきた、私たちの先駆者にして恩人にあたります。
この人がいなければコミケは無かったし、漫画の地位も今みたいに確立されていなかった。 多分。

とは言え、本人は漫画について語るのが大好きで、漫画についての文章もたくさん書いたので、それが今になっていまだにリリースされるとか凄いですね。
米沢嘉博という人の名前は今やある種の踏み絵みたいなもので、漫画を「ひとりの読者」として大好きなのか? それともその外側の「漫画業界に関わって生きていきたいと思う」タイプの漫画好きなのか? 「米沢嘉博を知っているかどうか?」は、漫画好きをその2種類に分けちゃう人みたいです。

もちろんどっちの人も漫画好きならお友だちです。 米沢嘉博を知らなくても大好きな漫画を読む上で何も問題ありません。 消費者として大好きな漫画を読んで、大好きなゲームをやって、大好きな音楽を聴く事は、自動的にその表現者を応援することになるので、大いに楽しんで欲しいなと思ってます。

ただ同時に「その文化を体系的に語りたい」という人たちが一定数いることも確かで、漫画とかゲームとか音楽とか、一見「語ってないで消費しろよ!」と言われかねない分野に対して文化学者的な素質を持っている人がちゃんと文章に起こしてくれるのは、後から見ると役に立つんでしょう。

そういう人達の中で漫画に関して抜きん出ているのが米沢嘉博という人で、本作『戦後恐怖マンガ史』は氏が生前、ホラー雑誌に連載していた原稿を一冊にまとめたものなのだそうです。
なので歴史的な解釈付きの「通史」です。フォローが凄いです。 手塚治虫『ロストワールド』から、つのだじろう『新・うしろの百太郎』まで。『怪奇漫画』約四〇年間分です。

当時から「漫画なんて低俗。しかも怪奇漫画?は~?意味あるの?」という出版言論界のお声に逆らって「でも怪奇漫画、みんな好きでしょ?人気あるでしょ?なんで面白いのかちゃんと説明しますよ?」ってバリバリと書いたんだそうです。


ただし、実際に本書を読んでいて気がつくのは「思ってたよりも少女漫画への言及が多いな?」という部分。
帯にはそうそうたる恐怖系の男性漫画家がズラズラと表記されているのに、最初から「少女マンガでは昭和32年に「かなしい・こわい・ゆかい の3本柱を打ち出し『こわい』は少女マンガの重要な要素だった」と言及し、一貫して少女漫画への言及が途切れない。

そもそも楳図かずおが恐怖漫画家としてヒットした最初が『週刊少女フレンド』だったとは! ちなみに初期の少女漫画誌に男性作家が多く描いていたのは何となく知っていましたが、これを読むとそうそうたる作家陣が少女漫画誌で恐怖モノを描いていますね。

その上、本書ではその楳図かずおに匹敵するページ数を山岸凉子に割き、その前に山田ミネコ(最終戦争シリーズの人!)そして「恐怖的なテーマをロマンに消化して描く」萩尾望都ショックとポーの一族について本当に詳細に説明してくれているのです。

米沢嘉博という人が当然ながら少女漫画にも造詣が深いとは聞いていたけれどこれは一体・・・?と思っていたら、最後に解りました。

この一連の原稿は『ホラーハウス(大陸書房)』という少女向けのホラー雑誌に連載されていた文章なのだそうです。

帯ではそこはボカして男性向け作家をガッツリと並べておりますが、この本を読むと「恐怖感」の演出に対する歴史観と、そこに少女漫画誌と読者たる少女達がいかに貢献していたかがよくわかります。
みんな怖いの好きだもんね? 

これを読むと、どうやら「恐怖漫画」の発展は少女漫画が無ければここまで来なかったみたいです。 そんなコトが読み取れる一冊でした。 面白いです。


kaiki-yonezawa201607.png ガッツリと取り上げられている作家陣は、『水木しげる』『楳図かずお』『ムロタニ』『ツネ象』『楳図かずお』『古賀新一』『山田ミネコ』『萩尾望都』『山岸凉子』『日野日出志』『手塚治虫』『山上たつひこ』『池上遼一』『諸星大二郎』『永井豪』『美内すずえ』『佐伯かよの』『里中満智子』『わたなべまさこ』『つのだじろう』などなど


ホラーファンはもちろん、全ての漫画好き必読の書!です!
中身はこんな感じです。

コンテンツ詳細~
<第一部 戦後怪奇マンガ史>
はじめに/前史/「こわいまんが」の出現と成立/水木しげると兎月書房/「怪奇探偵漫画」の台頭/怪奇時代劇と小島剛夕の人気/怪奇アクションシリーズ登場/小説と映画の静かな怪奇ブーム/貸本劇画の奇書、怪書、珍書
<第二部 恐怖マンガの系譜>
楳図かずお 恐怖の刻印/恐怖の完成/少年から少女へ
恐怖からの脱出、SF への飛翔
少年誌発・妖怪ブーム
ムロタニ・ツネ象・孤高の怪奇世界
楳図かずおと古賀新一
古賀新一・因果の舞台劇
怪奇競作短編ブーム その1
山田ミネコ 魔法少女の時間
萩尾望都・吸血鬼幻想/怪奇からSF へ
山岸凉子・「ゆうれい談」の登場/肉体・精神・霊/霊感少女の災難
日野日出志・原色の風景/狂気の地獄絵
手塚治虫・青年怪奇マンガへの挑戦/暗い時代の中で/闇の記憶としての恐怖
山上たつひこ・悪意と恐怖とグロテスク
池上遼一・不条理の風景
諸星大二郎・日常にひそむ闇/SF の中の怪異
永井豪・笑いから恐怖へ/恐怖からSF へ
怪奇競作短編ブーム その2
古典名作書き下ろしシリーズ
ひばり書房の軌跡
立風書房・レモンコミックスの作家たち
美内すずえ・伝奇ロマンの語り手
佐伯かよの・SF の中の恐怖
里中満智子・愛に恐怖を
わたなべまさこ・悪魔の少女たち/怪奇メロドラマへの道
つのだじろう・マンガと心霊科学
<解題> 成瀬正祐/想田四
<資料>ひばり書房 怪奇マンガ総目録(暫定版)

著者:米沢嘉博の受賞歴
雲賞特別部門
・第14 回(2010 年)手塚治虫文化賞特別賞 - マンガ研究の基礎資料の収集と評論活動などの幅広い業績に対して
・第24 回(2011 年)大衆文学研究賞(早乙女貢基金)大衆文化部門 - 『戦後エロマンガ史』(青林工藝舎)
編者略歴:赤田祐一(あかたゆういち)1961~
1961 年東京都生まれ。著述業・編集者。79 年秋、同人誌『漫画新批評大系』を通じて著者と知遇を得る。太田出版のマンガ復刻では、シリーズ監修(全18 冊)を米沢氏にお務めいただいた(竹熊健太郎、宇田川岳夫と共同)。著書に『消されたマンガ』(共著/彩図社)等がある


どうです?面白そうでしょう?
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