羽生生純の「漫画について答えよう」

「趣味を仕事にするな」をどう考える?「趣味の漫芸」

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「趣味の漫芸」の巻

のっぴきならないですよ!もう諸々のっぴきならなさ過ぎて何がのっぴきならないのかもわからない毎日で、それどころかのっぴくものっぴかぬも無いくらいののっぴきならなさなので、のっぴくも地獄のっぴかぬも地獄のこののっぴき地獄、ツーアウトツーアウトーみんなのっぴいて行こうぜーのっぴくこと山のごとく、のっぴかざること風のごとし、To be,or Noppiki、少年よ大志をのっぴけ!ギャーーーーッ!!

【まがまが】

羽生生先生!質問です!
「趣味を仕事にするな」と言う人がいますが本当でしょうか?
プロ漫画家は「漫画が趣味」の人がなりやすいのか、
そうでない人がなりやすいのか気になります。

そして、子供の頃の羽生生先生は「漫画が趣味」
というか「漫画を読むのは趣味」って感じでしたか?
それとも「漫画を描くのが趣味」って感じでしたか?

ついでに「漫画を大量に読んでいたぜ!」って感じでしたか?
それとも「あんまり漫画って読んだことないんだよね...」って感じでしたか?

ちなみに「今でも漫画を大量に読んでいるぜ!」って感じですか?
それとも「今でもあんまり漫画って読んでないんだよね...」って感じですか?

最初の質問から脱線して何が聞きたいか自分でも微妙な雰囲気になってしまいましたが「趣味を仕事にするな」ってが本当なのか特殊技能を活かす職業のプロ漫画家さんの意見を聞かせてください。

今ネットのYAHOO!百科事典(関係ないですが「YAHOO」の「!」が気持ち的にいつも妙に引っかかって「要らなくないか?」と思うのですが俺だけ?)というところででテロッと調べたところ、「趣味」という単語には大まかに2つの意味があるそうで、ひとつは「特定の活動に関する個人的な嗜好」、英語の「hobby」の意味で、もうひとつが「客観的に好ましいと判定されるようなものを現に好む審美眼」、英語の「taste」、だそうです。

で問題になってくるのが質問の「趣味を仕事にするな」の「趣味」はどっちなのか?という点です。

「hobby」の場合はそのまんま「仕事以外の個人的な楽しみを仕事にするな」みたいな意味になり、on/offの境界がわかんなくなっちゃって一日四六時中のべつまくなし同じことをする破目になるということで、恐らくこの言い回しもこの意味で使われていると思います。

確かに公と私が分かれていないと素人目にも訳がわかんなくなって大変そうだなというのが想像できます。例えば警察官が非番の日に街の正義を守るためにポール・カージー化して自警団なんかしても現実世界では単なる暴れん坊将軍ですし、その仕事がいわゆる「仕事だから我慢してやってる」ような場合は(仕事自体を貶めるわけではありませんが)ティッシュ配りの仕事に疲れた人がプライベートで自分用のティッシュを他人めがけて撒き散らすのが趣味という人は専門家に要相談です。

こう見ていくと「趣味を仕事にするな」という教訓は的を射ているように思われます。

ですが、もうひとつの意味「taste」を考えると事情が違ってきて、「客観的な審美眼を仕事に持ち込むな」ということになります。
ここで重要なのが「審美眼」というものが必要な職業というのは限られている、という点で、明確に全ての職業をここで分けることは私には無理ですが、少なくとも「(有形無形の区別無しに)ものをつくる」という職業の場合はどんなものでも、それぞれの度合いに応じた客観的な審美眼が必要になるものなのです。

そして、質問の「漫画家」という職業にもある程度の「客観的な審美眼」といえるものが必要なのは言わずもがななのです。

自分の頭の中からひり出した妄念を形にしてそれを売りお金を稼ぐ漫画家という職業には「グッドテイスト」も「バッドテイスト」も含めた何らかの「テイスト」が必要であり、その「味」こそが漫画を読む「美味しさ」につながるのです。

こう考えると、少なくとも漫画家という職業においては「趣味」は確実にある程度必要であるわけです。

自分が「イイ(もしくはイヤ)」と思ってることを描いてる漫画家は容易に見つけられるでしょうが、自分が描いてる絵にも物語にも全てに何の気持ちも抱かず純粋に「作業」として描いている漫画家は探すのはきっと難しいと思います。

ですが「客観的(ここ重要)な審美眼」がある程度無ければ、それはただ自分を慰めるためだけのものであり、まさしくひとつめの意味の「仕事以外の個人的な楽しみ」でしか無いのです。

ですから「趣味を仕事にするな」という教訓の本来の意味は「趣味と仕事を混同するな」ということなのです。

もちろんこういう反論もあります。「趣味で描いてただけの漫画を発表したら売れて仕事になったという場合はどうなのか」と。

でも安心してください。そんな心配は実際趣味が仕事になった人が考えれば良いことです。そしてもしそうなりたいと思ったら実際に漫画を描いてみなければ始まらないことですし、それで売れれば仕事が忙しくなって趣味の時間なんか無くなっちゃいます。そうなった段階で初めて「趣味が欲しい」と思うのか「趣味は無し」と思うのか考えれば良く、その結果選んだ趣味が「スポーツ」でも「募金」でも「セックスハンター」でも「鼻クソ集め」でも、もちろん「漫画」でも良く、そこに「客観的な審美眼」があればそれは仕事として成り立つのです...って自分で書いててもさっぱり訳わかりませんが、とにかくひっくるめて言えば「どっちでもよい」のです。

実際私が知ってる範囲で趣味で漫画を描いていようが読んでいようが漫画家になるかならんかは無関係で、私より遥かに漫画を読んでるけど漫画家じゃ無い人はたくさんいるし、「絵が苦手」とか言いながら私なんかより売れてる漫画家もたくさんいます。私の場合はたくさん漫画読んでる人よりは読んでなかったですが漫画に全く興味無い人よりも読んでましたし「こういうほうがいい」とかいう考えも持っていました。
今もほとんど漫画を読んでませんが全く興味無い人よりは気にして読んでいると思います。

とにかく、毎回言ってるような気がしますが、まず描いてから考えても全然遅くないですから、描く気持ちがあるなら安心して気にせず描いてください。話はそこから始まります。

...なんて人様に偉そうに言ってる場合じゃ無いんですよ!のっぴきならないんですよ!!労働意欲を増すために息抜きに作ろうと思って買ってるプラモデルとかおもちゃとか観たいDVDがどんどんたまって金がどんどん無くなって息が出来なくなってきちゃってるんですよ!!息というか仕事するスペースさえ無くなりつつあるんですよ!!!息抜くために息殺すって何だ!!!!そもそも「のっぴき」て何???????


羽生生 純(ハニュニュウ ジュン)
漫画家 1970年生まれ 1992年デビュー

代表作
『アワヤケ』 『青 -オールー-』 『恋の門』
『1ページでわかるゲーム業界』 『ワガランナァー』
『サブリーズ』 『強者大劇場』



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