頭身のバランスどうやったら上手にとれる？「大きくなったら漫構図！」

「大きくなったら漫構図！」の巻

先日某大手出版社の忘年会に紛れ込んで人々の隙間から芸能人を覗き見たりしてきた羽生生ですがみなさまいかが年越しですか？

その忘年会で某有名漫画家さんや某有名漫画家さんとお話する機会があったのですがひとつわかったことがあります。

それは

「売れてる人ほど危機感を持ってる」！

はたから見たら「そんだけ売れてんだったら何にも悩むことなんか無かとでしょうが！せからしか！」と似非佐賀弁で問い返したいところですが、そういう方ほど「これでいいのか」とか「あの人みたいになりたい」とか「どうすればいいのか」とかずっと考えているようで、

「ＹＯ？俺有名お前低迷」

みたいなこと言って天狗になってるような人はいない！いたとしたらそんな奴はすぐ売れなくなる！
という事実を発見したのです。
だからみんなさんもポジティブな前向き発言を言い合っている暇があったら世間を恨め！世界を呪え！！
でも呪った分のエネルギーでちゃんと作品を描きましょう！
おわり！

じゃなかった質問！

【ショウゴ】

羽生生先生こんにちは。
私が描く漫画はコマによって顔が大きくなり過ぎたり、体が大きくなり過ぎたりしてうまく描くことができません。
体と顔をバランス良く描くためのコツなどありましたらアドバイスお願いいたします！

まず自分がどんな漫画を描きたいのかを考えてみてください。もし「頭が急に大きくなったり小さくなったりする世界」の漫画を描こうとしてるのだったら全く問題ありません！

と、ひとフザケひと怒られしたところで続けますが、ここで度々書いていると思いますがまず「描こうとしている漫画の世界観に合致するのであればどんな描き方でもかまわない」ということです。
でも上記設定の漫画をおもしろく出来る確率は限りなく少なくなるでしょうから普通の「頭の大きさが変わらない世界」のお話を描きたいという前提の上で進めたいと思います。

まず最も簡単な方法として考えられるのは

「同じ大きさの人間しか描かない」

この場合アナログならハンコとか切り抜きとかで、デジタルだったらもっと簡単でデータをコピーアンドペーストしたり３Ｄモデルを使ったりしていつも常に同じサイズで描くようにすれば急に頭のサイズが変わるようなことはおきないと思います。

「ざけんなよ！それじゃ希望した構図のコマが描けねえじゃねえか！」

と思ったそこのあなた！

様々な大きさと構図で描きたいということ、それは近代漫画の「自分（漫画家）の目を疑似的なカメラとしてとらえ、様々なレンズを通して見えた画像を一つのコマとして描写する」

いわゆる

「漫構図」

を駆使して絵を描くという作業をおこなうことになります！（ふりがな厳禁）

カメラのレンズを覗いたことが無い人はほとんどいないと思いますが、無意識にシャッターを切る場合に多くの人は自分の視線と同じ高さになります。
その時目の前の人間は見た目通りの比率で写る（ように見える）のですが、自分より背が大きい人を見た場合、明らかに下から上へすぼまって、小さい人は上から下へすぼまって見えるはずです（もちろん正確じゃなくて「そんな感じ」程度の話です）。

ということは「頭の大きさが変わらない世界」の漫画でも、頭が大きくなったり小さくなったり「見える」ことが有り得るわけです。

もしあなたが「今すぐ問題を解決したい！このニオイすぐ消したい！」と思っている場合、頭を描いて「...ヤベ！デカすぎ！」になってしまった時はそのコマを「上から見た構図」というつもりで描けば良いのです！！

小さく描いちゃったら「あおり」！もしくは「超望遠」！ゆがんじゃったら「広角」！もしくは「魚眼」！

というつもりでつじつまを合わせれば全く問題有りません！

......え？「一人目描いちゃった後で二人目描いたら大きさがおかしくなっちゃった」？

...えーと...

...上手な人の絵を見たり描いたりして自主練しましょう。

...あ！まだなんか質問があるみたい！ちょっと急いでるんで又！

【ドカン】

羽生生先生こんにちは。
最近では年末になると「このマンガがすごい」といった感じでマンガを紹介？表彰？する企画が定着してきましたが、マンガを生業としている羽生生先生が今年でなくても良いですが最近のマンガでこれはすごい！と思ったものはありますか？（ご自身の作品以外でお願いします。）
それとも職業としてマンガに関わると、そういったファンの目線は持ちにくくなってしまうのでしょうか？

実はちょうど「このマンガがすごい２０１１」で拙著『俺は生ガンダム』がオトコ編の１８位に入るという異常事態が起こったのです！

正直「微妙じゃね？」と若者イントネーションで投げかけられる疑問が耳に届く様が目に浮かびますが、私的には大番狂わせの大穴狙い、『ガンダム』という人のふんどしを借りっぱなしのまま洗わずに使ってるとしてもキャラクターものでこういうランキングに入るのは物珍しいことであることだなあと驚いております。

そんな私が「これはずごい」と思った漫画を紹介しようとしているところなのですが......

...実は最近の漫画を全く読んでません！

...実は冒頭の某有名漫画家さんの作品も全く読まずに話してました！

...送ってもらってる見本誌も全然目を通してません！

売れてる漫画を読むと打ちのめされてくやしくて何にも出来なくなっちゃうので読まんです！

...なんでこの質問を選んだかというと「こマす１１」１８位入りをひけらかしたかっただけです！！

ああ軽蔑するがいいさ！１８位程度で姑息な自慢を挟み込む様子を笑うがいいさ！あんたがたどこさ！ひごさ！ひごどこさ！グダグダさ！よいやさ！

...売れっ子への道は果てしなく遠いです...

俺は生ガンダム
ジ・オリジン安彦良和爆笑！羽生生純が描く異色ガンダムギャグマンガ（Amazon.co.jpより）

羽生生 純（ハニュニュウ ジュン）
漫画家　１９７０年生まれ　１９９２年デビュー

代表作
『アワヤケ』　『青 －オールー－』　『恋の門』
『１ページでわかるゲーム業界』　『ワガランナァー』
『サブリーズ』　『強者大劇場』

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